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松浦信孝の読書帳

nが増えても変わらぬiで

2021.02.06 10:05

先日、人生で初めて、消化管の内視鏡検査を受けてきた。


健康診断で出たピロリ菌陽性



嘘だろ…ずっと俺は胃にピロリを飼って27年間生きてきたってのか…



脳裏によぎる「穢れ」の2文字



除菌せねば…綺麗な体にならねば…



胃中のピロリにお別れすべく、一応内視鏡検査も職場の内科で受けることに。





不安だ…




普段自分が人を眠らせる仕事をしながら、自分が眠らされる番になるのがこれほどまでに不安だとは。



朝飯を抜き、飲水制限を守り向かう内科外来



謎の表面麻酔ゼリーを口に含み耐える数分間



俎上の鯉よろしく検査台に横になり、手に点滴を刺される。



点滴から薬が入る。薬の作用で記憶が消えるはずではあるが、カメラが喉を通る感覚は残っている(笑)



でも、想像よりは辛くなかった。喉の奥を硬いものが通る感覚、吐き気を感じながらも背中をさすってもらう手に救われる安堵感。



ああ…意識が朦朧としていても、不安なものは不安だ…



医療者側からすれば、臨床経験が積み重なるほど患者は数多の将来のうちの一件になるが、個々の患者からすれば、その一回は一生のうちの最初で最後の一度かもしれない。



ああ、もっと優しくなろう。



朦朧としていく意識の中、過ったのは自らの仕事に対しての反省だった。