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今年も有効活用/KOWインタビュー

2021.01.11 01:44

KOW新春インタビュー

聞き手:新井龍亮



新井:明けましておめでとうございます。


KOW:今年もよろしくお願いします。


新井:さっそくですけど、2020年はどんな年になりましたか?


KOW:コロナで仕事の4/5がとんでしまった…でも気づいたらそこに膨大な時間が広がっていました。いつもなら望んでも得られないもの、それは時間。仕事がない、ではなく、時間ができた、と考えました。


新井:その時間を使って何をしましたか?


KOW:音楽制作とライブ、そして読書…買ったのに読んでいない本がたくさん溜まっててこの機会に全部読んでしまおうと。でも、あまり捗っていません…音楽ばかりやっているからでしょう。これまでに作った曲、やってきた曲、素材、出来損ないが山ほど。幸いこちらはの方はものすごく捗っています。

リモートで作ること


新井:2月にはキアトのレコ発ライブがありましたね。


KOW:あれはもう間一髪というタイミングでした。おかげさまで会場のロフトヘヴンは満員御礼になりましたが、その直後に自分の仕事がコロナで開催中止となり、以降、仕事もライブも通常の開催はできなくなって…それが今もまだ続いている。なんとも残念です。そうしたなかでもキアトの次の音源制作は粛々と続いています。


新井:スタジオに入っているんですか?


KOW:キアトに限らず今はリモート制作が主流ですね。メンバーが自宅の制作環境で、落ちついてアレンジや練習をし録音する…ドラムだけはスタジオに入る必要がありますが。そうしてできた音声ファイルを自宅でミックスしていく…


新井:2020.4月にリリースした「ふむふむチーム電波」もそうやって制作したのですか?


KOW:そうです。主にフェイ・ターンさんのスタジオと、日々、音声ファイルのやりとりをしました。小俣慎一さんのアコーディオンも宅録です。みなさん、自分の音を凄く上手に収録するので、やり直しはほとんどありませんでした。宅録環境がない鵜飼恭子さんは、名古屋からフェイさんのスタジオに遠征してレコーディング。そういう意味では鵜飼さんだけは名古屋〜大阪を実際的に移動し、他の3人はまったく動かず制作していたわけです。僕のほうで仮ミックスを行い、仕上げミックスは大阪に移って、片山トミオさんが担当し素晴らしい作品に仕上げてくださいました。大阪〜東京間のインターネットを、チーム電波の音声ファイルが駆け巡った日々。結果的に、録音開始からリリースまで2ヶ月でした。アルバムジャケットデザインをフェイさんが手がけるなど少人数チームで作業したこともありますが、ここまで短期間でアルバムを作れたのは、やはりインターネット環境の充実と言わざるを得ません。

世界を動かすためのコロナ


新井:2020はCOVID-19が人類社会全体を揺るがした年として歴史に記されてゆくことになりますが、KOWさんはこの事件はなにを意味し、今後にどのような影響を与えるとお考えですか?


KOW:いろいろな見方があると思いますが、僕自身は大きく分けると2つの視点に分類されると思います。1つ目は人類を脅かす病気としてのコロナ、そしてもう一つは国際的な新基準を作りそれによって世界を動かしていくきっかけとしてのコロナ、という2つの視点です。


新井:病気としてのコロナは分かるのですが、国際的な新基準としてのコロナとはどういう意味ですか?


KOW:わかりやすいところから言えば、ワクチン接種を国際的に標準化する、ということです。今回のCOVID-19から今後発生するあらゆるウイルス対策は国際的な取り組みとなり、全世界がワクチン市場とみなされるようになります。これは製薬会社のみならず、その出資者たちに莫大な利益を安定的にもたらすことを思えば、グローバルな利権ビジネスであることはハッキリしています。


新井:そういうことを「陰謀説」と断定するメディアの記事が最近、目につきますね。


KOW:いろんなところに、なにかオカシイと感じ始めた人がいるからでしょう。だからこそメディアはその火種を消そうと、人々の疑念を陰謀説と断じて消火活動を初めたのかもしれませんね。大手の新聞テレビ雑誌のほとんどはもうダメだと思います。それよりも自分がこの状況をなにかヘンだ、と感じることをまず大切にすべきではないでしょうか。メディアに振り回されるのではなく。

変わる世界


新井:私たちは大変な時代の節目に立たされているのですね。


KOW:まさに。歴史を読めばわかりますが、過去において戦争の多くが、回避しがたい現実という状況の捏造から始まっています。回避などいくらでもできるのに。権力が人々の意識を恣意的にそちらの方向にコントロールしていくわけですね。この戦争は回避できない、と。そして水面下では国家に資本家から戦争資金が貸し付けられて、軍備が整えられました。

しかしこの資本家にとっての金儲けの一手段としての「戦争」より、より効率的な金儲けの方法が生まれました。それが今回のワクチンビジネスなのだと思います。これを実行可能にしたのはグローバルな国際経済圏の出現とIT環境の充実です。まさに機は熟した、ということでしょう。ちなみに世論をワクチンを待望する方向に向かわす恣意的なコントロール手法は今も以前と変わりありません。メディアは絶えず市民の不安と恐怖を煽っているわけです。それが仕事なので。


新井:するとワクチン接種前と後では世界は変わると思いますか?


KOW:変わると思います。たとえば日本においては今後急速にマイナンバー制度が進展し、ワクチン接種などの個人的医療データが紐付けされていくのではないでしょうか?海外に行く際にはマイナンバーが必要になり、医療データの照会が必須になる、とか。個人情報が徹底的に国家側に管理される時代は想像するのも嫌ですが、現実になる可能性はあると思います。

「今」に触れなくては意味がない


新井:私たちは今ある意味で、とんでもない時代に生きているのかもしれませんね。


KOW:そうですね。見方を変えればそういうことこそ、文学や音楽の今、そしてこれからのテーマになって行かざるをえません。ついこの前まで「戦争の歌」と言う新曲を作ろうとしていましたが、最近このことに気がついてもう戦争の歌を作るのはやめました。ひょっとすると完全な時代遅れですからね。僕らは誰も「今」を生きているだから「今」に触れていなければ、文化の本当の存在意義はないに等しいと考えます。

ネットをポジティブに活用する


新井:ところでKOWさんは今後どのように音楽活動をしていこうと考えていますか?


KOW: 2020年はほんとにたくさんの音楽をするための時間をもらいました。大変な思いをしている人が現実に沢山いますし、僕自身もマイナス面に目をむければキリがありません。幸い制作環境はありますので制作を中心に励み、作品タイトルを充実させて、インターネットを通じての海外プロモーション活動にチカラを入れていきます。


新井:たしかに2月のキアト、4月のチーム電波、7月のNegAcoustikaと半年での3タイトルリリースは、作品タイトルの充実につながりましたね!


KOW:その通りです。そのうちの2タイトルをJPRGという神戸に拠点を置くレーベルから出せたことにも大きな意味があります。日本のプログレというテーマでグローバルな情報発信を目指すリーダーの森田さんの思想には共鳴しています、日本のプログレとしてカタログ化されたことで、今後ミュージシャン同士でライブを行ったり、海外プロモーションを仕掛けていくことにも大きく役立つと思います。ネットのポジティブな活用は、アーティスト同士の情報リンクとともに海外で効率的に広がっていく可能性を秘めています。


新井:今後のリリースの予定を教えてください。


KOW:まず僕の最初のソロアルバム「東京キッチン」を再録音した「東京キッチンRevoice」はもうマスタリングまで完成しています。年内にリリースしたいです。そして制作中のファーカンダは1枚目が半分くらいのところまで進んでいます。2枚目は一発録音アルバムになるでしょう。どちらも年内リリースの予定です。キアトとNegAcoustikaはともに作品制作を続けています。そう、チーム電波でもなにかありそうです…なにしろフェイ・ターンと鵜飼恭子という超行動的なミュージシャンたちとのプロジェクトですからね。

また、神戸のギタリスト垂井利之さんをはじめさまざまなミュージシャンとのコラボも実現できるでしょう。


新井:ライブの予定はありますか?


KOW:2月24日に京都パラダイスガレージのカフェライブで眞九郎さん・松本和樹さんと、3月3日に大阪ミセスドルフィンでフェイさん・トシ・バウロンさんと。5月8日に碑文谷APIAでふむふむチーム電波の初東京ライブ。今、決まっているのはこの3つです。


新井: 2021年はまだまだ始まったばかりですね。このコロナ禍を違った角度から見ることができました。今年の活動に注目しています。


場所:スタジオ響

2021.1.7