お客様第一主義と下請け体質
お客さまの要求を背景まで含めて、全部聞いてきちんと検討し、その結果をお客さまに納得していただくこと、これが顧客第一主義の原点だと思います。
つまり、お客さまの立場でその要求を理解し、その方向性を前提に検討し、その上で発生するリスクやコストを納得してもらう、場合によってはやめる決断をすることも必要で、あくまでも、お客様の立場に立ち、お客様の利益につながる提案を行うことが必要です。
このように、お客さまのパートナーとしての立場を築き上げていくことが真の「お客様第一主義」ではないでしょうか。そのためには、お客様の社内外の事情をよく知ることが必要で、キーマンとのコミュニケーションを密にして、本当は何に困っているのかを聞き出すことができるような信頼関係の構築と社内体制の構築が欠かせません。
営業部門、技術部門、生産部門、品質部門それぞれの立場でお客様の課題、望んでること、期待していることをよく知ることです。 しかし、現実として工場ではそのような情報が不足しています。図面通り、仕様書通りモノを作ること、不良を出さないこと、納期を守ること・・・ これは「顧客第一主義」とは言いません。
これでは、ふつうの(下請け)業者であって、「下請け体質」から抜けきらない企業としか見てもらえず、決してパートナー企業にはなれません。ましてや、納期遅れや品質不良を出していれば、下請けとしての地位も危ういと言えます。下請け体質とは、社員一人一人に染み付いた共通の意識と行動様式にほかなりません。
では、経営者は、そして社員は具体的にどのような考えで、どのような行動をとって行けばいいでしょうか?皆さんで考えてみてください。
(ヒント)
皆さんの会社は、下請け企業と思いますか?思いませんか?
下請け企業と思っているなら、自分たちがどのような行動をとれば下請け体質から
脱出できると思いますか?