隠された神々
Facebook・竹元 久了さんと横行記事 🌷隠された神々
脳の解釈は現代医学と古代の東洋医学では若干異なります。古代医学では、脳はおもに五官(目・舌・口・鼻・耳)の働きと四肢の運動・感覚を支配すると考えられていました。
それまで精神活動は五神が統率していると考えられており、脳が精神活動の中心と重要視されたのは現代になってからです。
魂(こん)と魄(はく)(五神について)
東洋医学は、長期にわたる生命活動の観察をもとに、数多くの臨床経験における病理現象から、生理現象に対する認識を深めてきました。
その中で、人体は、肝・心・脾・肺・腎の五臓を中心とした蔵象学説が形成され、
古人は、五臓の気と各方面の関係、たとえば「五味」「五病」「五脈」「五体」などを
明らかにしようとしました。
この中で、「五神」というものがあります。
心は神(しん)を蔵す。肺は魄(はく)を蔵す。肝は魂(こん)を蔵す。脾は意(い)を蔵す。腎は志(し)を蔵す。(『素問 宣明五気扁』より抜粋)
これは、各臓が蔵しているものを明らかにすることで、各臓の気はどのようなものなのかを考えたものです。
五神について、文献をもとにまとめると、
「神」とは心の機能・働きであり、心神とは高度な主導的働きをする精神活動をいう。
肺気が充盛すると気・精が充実して体力と「気魄」がある。
「魂」は意識下の思念であり、神を補佐する。
「意」とは意念であり、脾気が充足していれば鋭敏になる。
「志」とは意志であり、腎精が充盛していれば明敏になる。
さらに調べると、「魄」と「魂」は、下記のように対照的なものであるようです。
「魄」と「魂」を陰陽関係にしたがって分類すると、「魄」は陰に属し、「魂」は陽に属す。「魄」は「魂」の基礎で、「魂」は「魄」を主導する働きがある。
人体に即して考えると、心神の外的環境に対する反応は2種類あり、1つは生理的(本能的)反応、もう1つは心理的反応である。
このうち、本能的反応は「魄」の活動であり、感覚や、感覚相互の間の反応と関連している低次元の反応である。
もう1つの心理的反応は、「魂」の活動であり、人が学習することによって完成され発展する精神現象である。
上記より、「魂」とは外的環境に大きく関わるものだということが分かります。
ここで、「肝」は、外的環境などからのストレスで条達・疏泄機能が失われると不調の原因となりますが、これは「魂」の活動と結びつきます。
また、ヨガ瞑想などの運動をすると、嫌なことを忘れ気持ちが楽になることがあります。
これは、ヨガなどの運動を通じて呼吸をしっかりすることで肺気が充実し、「魄」の働きが高められ、外的環境のストレスなどへの意識よりも体の内側への意識が相対的に強くなるためではないでしょうか。
陰陽五行説|五神の性質
http://www.timeless-edition.com/archives/2627