組織マネジメント3つのルールと暗黙のルール
日本の企業は、悪しき「暗黙のルール」をなくし、生産性を向上させる良き「暗黙のルール」を社内に根付かせていくことが求められています。
組織のルールは以下のように3つに分かれます。
組織のルール=工場の規定+作業の標準+暗黙のルール
「工場の規定」は、工場のモノの流れや、情報の流れ、各部門の役割と責任、問題が生じた時の処理方法など、工場全体または、部署間の共通の決め事が規定化されています。
「作業の標準」は、文字通り作業手順書、作業フロー、チェックシート、帳票などが該当し直接製品の品質を作り込むための標準書を指します。 しかし、上記の明文化されたルールのほかに、実はもっと強制力を持ったルールがあるのも事実です。
・上司より早く出社すべきだ、上司より先に退社すべきではない
・上司は忙しいので、引き出しに入っているハンコは、いつでも押して構わない
・会議では、必ず相手側に責任を押し付けると結論付けなければならない
などです。
「社内の常識は社会の非常識」という言葉もあるくらい、とんでもない不祥事が発覚し、問題になることがあります。また、一見ムダとも思えるルールがまかり通ったりもします。 このように閉鎖された組織内に、何かしらの“見えない決まり”があるのは、どの会社でも同じではないかと思います。
しかし「暗黙のルール」が一概に悪いとも言えない部分もあります。すべてのルールを明文化してしまうと複雑になり、かえって守れなくなったりそれを、周知させるのも一苦労です。 そこで「暗黙のルール」をうまく使って、仕事に生かしていくことを考えて見ます。例えば
・上司から指示されたことは、結果あるいは経過をその日のうちに報告する
・会議やミーティングの議事録を必ず残し出席者に配布する
・朝礼を毎日作業開始前に実施し、昨日の結果、問題点、今日の予定などを話し合う
・隣の職場が忙しいと助けを求められたときは自職場から応援者を派遣する
・異常やトラブルが発生したら、関連部門のスタッフがすぐに現場に集まり原因特定
と対策を行うなど、コミュニケーションのルールを作り、これを「暗黙のルール」として社内に根付かせます。
しかし、何かを変えようとするとき、悪しき「暗黙のルール」は急に壁となって立ちはだかってきます。根付かせるためには、管理層が自ら行動で示し、また事あるごとに部下に徹底させる努力も必要になってきます。コミュニケーションを密にして仕事を行うことが、職場内を活性化させ、ものごとの処理がスピーディーに進み、問題解決のためのPDCAサイクルが回り、結果として生産性が向上していくのではないでしょうか?
何も、すべてのルールを明文化する必要は無く、良い暗黙のルールを作ってそれを育てていくこと、これは外国と違って日本の企業だけが可能なことなのではないでしょうか?