太陽王17-スペイン継承戦争勃発
2021.01.09 10:54
1700年11月1日、スペイン王カルロス2世が崩御した。王は肉体的にも精神的にも虚弱で、王家断絶は既定のことだった。この後継を狙ったのが、ルイ14世。なんといっても亡き妻はスペイン王女で、子供はスペインハプスブルクの血をひいている。しかしフランスの力の拡大は警戒される。
フランス国内では、先のブルゴーニュ侵入戦争の失敗の増税で、絶対専制批判が広がっていた。ボアギュベールは自由主義経済こそ国を富ませるとの論を展開し、王家の規制や貴族の特権に反対した。農民も重税にあえぎ、ルイの都市改造による需要創出は逆転していたのである。
スペイン王崩御の前から、各国がかつての大国スペイン領土分割条約をつくっていた。しかし都合が悪いことがいろいろと起こる。そしてカルロス2世の遺言では、スペインは仏王太子のアンジュー公フィリップを後継者として指名し、フランスはこれを受諾し、ブルボン家カルロス5世が即位した。
フランスは戦争を予期し、またもや陸軍兵力を増強し、国境に展開して圧力を加えたが、各国はかえって反発し、01年にはまた帝国、イギリス、オランダなどでハーグ同盟がつくられた。スペイン国内もカタルーニャは反対し、スペイン領土をめぐる広範な戦争に発展した。
下はカルロス2世騎馬。ハプスブルクのマークははっきり