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A recollection with you

窓際で 編ーその6ー

2016.09.08 13:14

「おかえり」


詩歩が選ぶデザインは、僕のツボを突いてくる。そして値段も控えめだ。別に、僕も詩歩もケチな訳ではない。


「詩歩ちゃん、サイズはどうするの?」

「えーっと…」


言いながら、メモを取り出して未夜さんに見せる。


「うん、分かった」

「お願いします♪」


そこでこちらを見た未夜さんは、にやっとしていた。少し身震いした。


「可愛い上に出来る子だなんて、ゆづくん?」

「…何ですか?」


目が、「このこのー」と言っている。頭の上にクエスチョンマークを浮かべた詩歩も僕を見ている。

どうしたものだろう、と考えているうちに、話は元に戻った。


「詩歩ちゃんも座ってすわって?」

「あ、はい」

「それで、ゆづくん。どんな風にする?」

「あ、ああ、うん」


僕の頭も元に戻る。そうですね、と言いながら僕もメモを取り出す。メモと言っても、お店の設計図のコピーに書き込みをしたものである。


「う~~~ん。わかりにくい!」


未夜さんが叫んだ。


「えっ」

「書き込みするときは色の薄い鉛筆でって、何度も言ってるんだけど」

「す、すみません…」


謝ったところで、詩歩に目を向けた。