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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

太陽王19-スペインに二人の王

2021.01.11 11:11

スペインはバルセロナとマドリードに王が擁立され、分裂状態となった。1706年カルロス3世軍は、ポルトガル、カタルーニャ、バレンシアの三方からマドリードに進軍し、一時マドリードを占領。しかし、同盟軍は連携がとれず、マドリード市民から反発を受けて撤退せざるを得なくなる。

イタリアでは07年オーストリア司令官オイゲン公がミラノを制圧、さらにダウンがナポリを制圧して、イタリア半島は神聖ローマの手に落ちた。ミラノが帝国領となるのは1535年以来である。北部では英国マールバラ公が06年ラミリーの戦いで大勝利、フランスはネーデルランドを失ってしまう。

イタリアを制圧したオイゲン公も北部戦線に戻り、オウデナルデの戦いに勝利。そして反仏同盟軍はフランスの要衝大都市リールを10万の大軍で包囲する。フランスからの援軍をシャットアウトした同盟軍は、12月ついに陥落制圧する。フランスは大ピンチ。

さらに翌09年にフランスは大寒波に見舞われる。英国も大陸の長期戦に嫌気がさし、厭戦気分が生まれていた。さらに帝国では05年に皇帝レオポルド1世が崩御、後を継いだヨーゼフ1世が崩御すると、なんとスペイン王カルロス3世がカール6世として即位。今度は大ハプスブルク帝国を警戒するようになる。

下左はハプスブルク家カルロス3世右はブルボン家フェリペ5世