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料理写真家の出張撮影 | 岡本 光城

おもてなしの心

2016.09.09 03:25

昔話ですが、

僕はとある老舗人気旅館で働いた事があって、そこの女将がこんな話をしてくれました。


 お客様がお帰りの際は「ありがとうございましたー!」ではいけません。

それではお客様を追い払っているようなものです。


語尾を伸ばして追い払わない。

「ありがとうございました。」と、くくった後に「またお越しくださいませ。」や「お気をつけてお帰りくださいませ。」など、親しみの想いを込めて付け添えること。

たったそれだけで、お客様は気持ちよくお帰りになるものです。


すごく簡単なことですが、とても重要なことだと思いました。

ひとつの言葉。ひとつの動作に想いを込めるのが接客業。


日常の中でも、

帰ってきたら、ただいまの声。

何か渡すときには目を見て渡す。

ごみはゴミ箱に。


小学生が習うような当たり前の習慣。


簡単だけどとても大切な習慣で、日々の些細な場面場面で想いを込めるからこそ、心の豊かさが耕されるんだと感じました。


なんだか毎日同じ料理を作っていて面白くないな。とか

毎日同じようなお客様しかこないじゃないか。とか


そうボヤくのは、もしかしたら些細な繰り返しの作業。

目の前の一つや、一人を大事にできていないからかもしれません。


毎日食べに来てくれるあのお客様のために、昨日よりも美味いと言ってもらおう。昨日と同じように美味いと思ってもらおう。


初めて見るお客様だけど、うちの料理と最高のもてなしで気持ち良く帰ってもらおう。


料理や接客は、ただ提供すればいいものではありませんよね。


普通に働いてると、毎日が普通に終わってしまうものです。


あと一歩の想いやり。それを持って日々サービスを提供しましょう。

ギブアンドテイク。与えることで満たされる何かがきっと返ってきますよ(^^)


今日も最高の一日に。



料理写真家  岡本 光城