【2015 メデジン MDE15 アンティオキア美術館 コロンビア】
2015.10-2016.03
2015年5月、モニカはコロンビアのメデジン市で行われる国際芸術会議「MDE 15」の招待を受けた。
そこではシャロン・ラーナーSharon Lerner、エディ・ムカEdi Muka、フェルナンド・エスコバル Fernando Escobar、トニー・エヴァンコTony Evankoによってキュレートされ、1978年のThe Clothesline、「El Tendedero (1978)」 を発表した。
モニカは前回のThe Clotheslineを踏まえ、メデジンのアーティスト、活動家と一緒に作り上げるために、ワークショップからの作品の再現を提案した。
The Clotheslineが、ストーリーを喚起するだけでなく、ストリート・ハラスメントを可視化させ、それと戦うことに興味を持つ人々のネットワークを強化する装置になって、新しい交流関係や協力関係を与えてくれることを願ってのことであった。
彼女たちは3日間、情報を共有し積極的に参加し、グループ全員の生活と関心事に基づいて、このThe Clotheslineについて4つの質問を作り上げた。
初めて嫌がらせを受けたのはいつですか?
どのような状況やコメントが路上で不快に感じますか?
セクハラや性暴力から身を守るために何をしましたか?
セクハラや性暴力に対してどのように防御していますか、あるいは防御しますか?
このワークショップで、参加者がエプロンを着ることで他者と見分けをつけやすくし、回答を集めやすくなるのではというアイデアが出た。
それはとても効果的であった。
彼女たちはロス・デセオス公園、植物園、ボテロ広場への回答を求めに行き、開幕の夜にThe Clotheslineを展示することを決めた。
最終的に彼女たちは美術館で木製の枠で吊るされる回答を、路上では自分たちの体にロープをつなげて吊るした。
回答は彼らの中にあるということを示していた。
回答の中で最も驚かせたのは、多くの人が子供の頃に嫌がらせやいたずらを受けていたことを告白したことであった。モニカ自身も、それまで自分が「たまたま例外的に変態に出会っただけの不幸な子供だった」と思っていた子供時代の思い出を思い出した。
セクハラは少女や子供ではなく「若い女性」が受けるものだと無意識のうちに考えていたのだ。
メデジンでの展示の特徴の一つは大きな1978年のThe Clotheslineの写真が展示され、それにつながるように現在のThe Clotheslineが展示されていたことである。
それはまるで過去と現在がひとつの作品のように見えた、とモニカは語っている。
メデジンでのThe Clotheslineはこれで終わらなかった。
翌2016年3月に、Zinayda QuiñonezからFBでメッセージが届いた。それは、彼女がコロンビアのメデジンで美術の授業をしている学校、Fe y Alegría Popular Uno Popularteで作ったThe Clotheslineの情報であった。
彼女はMDE15を観てインスパイアを受け、ぜひ自分の学校で行いたいと実行したのだ。これは国際女性デーに合わせて開催されたもので、8年生から11年生までの生徒が質問に答えた。
夜中に一人で道を歩いているとき、どんな気持ちになりますか?
男性として、誰かに「小さな女性/小さな女の子のように振る舞っている」と言われたとき、あなたはどう思いますか?
路上で言われた褒め言葉は不快だと思いますか?
通りを歩いているときに、誰かがあなたを上下に見ているとき、あなたは快適ですか?
通りで誰かがあなたに褒め言葉を言ったら、あなたのプライバシーを侵害していると感じますか?
各生徒は答えるべき質問を選び、その答えをThe Clotheslineに吊るした。