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慢性MR

2022.08.09 03:44

麻酔科の術前チェック事項

・MRのEFの正常値は70%位。EF≦60%やLVEDs≧40mm (LVEDSI≧24mm)は収縮能低下と考える。

・左心系弁膜症では、左房圧の上昇から二次的な肺高血圧(推定sPA≧35mmHg) を合併することがあり、予後と関連する。肺高血圧は右室機能を低下させるので、肺高血圧がある場合は、右室収縮機能をチェックする。

・CXと僧帽弁輪との距離が近くないか。


MRの機序 (Carpentier カルパンティエ分類) と 術式

MRの重症度分類

ただし、近年のAHAガイドラインでは、二次性の方がカットオフが厳しくなっており、二次性MRの方が少ない逆流量でもsevereと判断される。




MRに対する手術適応は?



重症二次性MR

虚血性MRで、CABGの適応があり、EF>30%の場合。

心房性MRの場合は、まだ十分なデータがない。


手術の種類

1. MVP (胸骨正中切開またはMICS

 MICSの適応

・胸郭前後径8cm以上でないと操作スペース的に難易度が増す。

・FAの送血管による虚血を防ぐため、送血管径よりもFA血管径が太くなくてはいけない。体格が大きな人だと19Fr (約8mm)を入れるので、FA径≧9mmが必要。

2. Annuloplasty 

人工弁輪には、リジットリング、フレキシブルリング、バンドがある。全周性のものは、前尖の生理的な動きを抑制するのでSAMのリスクがある。Partial ringまたはバンドが理想的。

3. MVR (正中切開またはMICS)

MVPが困難な場合に選択される。後尖切除した場合に心破裂のリスクがある。

4. Mitraclip

+

T弁への介入が必要か検討 

MVPの合併症

1. CX損傷→壁運動異常→バイパスを追加する。

2. 冠静脈洞損傷→修復 これ、どうやって気づくの??

3. ヒス束損傷→AV block→ペースメーカー

4. LCC, NCCのひきつれ→AR→糸の掛け直し

5. 僧帽弁前尖収縮期前方運動(SAM)

6. MS : 平均圧較差4-8mmHg程度は許容される。8mmHg以上の場合はrepumpした方が良い。

7. 遺残逆流 部位と重症度の評価


MVP後のTEEチェック事項

M弁のViewで。

・遺残逆流はありますか?ある場合は、部位と重症度を評価します。

・遺残逆流がなかったとしても、接合部位と接合の深さをチェックする。

 理想的なのは、前尖と後尖の接合ラインが後尖弁輪から15mm程度の位置を保ちながら弁輪に平行で、coaptation depthが7-8mmあること。

・圧格差はどうですか?MSになっていませんか?(mPG≦ mmHg)

SAMはありませんか?

A弁のViewで

・ARありませんか?ARが新規に出現しているまたは酷くなっている場合、LCCやNCCの動きをチェックします。

経胃短軸像で。

・壁運動異常はありませんか?特に、CX領域。


僧帽弁位人工弁の評価

MVP後、持続するmild MRが存在しても長期予後には影響しない。