慢性MR
麻酔科の術前チェック事項
・MRのEFの正常値は70%位。EF≦60%やLVEDs≧40mm (LVEDSI≧24mm)は収縮能低下と考える。
・左心系弁膜症では、左房圧の上昇から二次的な肺高血圧(推定sPA≧35mmHg) を合併することがあり、予後と関連する。肺高血圧は右室機能を低下させるので、肺高血圧がある場合は、右室収縮機能をチェックする。
・CXと僧帽弁輪との距離が近くないか。
MRの機序 (Carpentier カルパンティエ分類) と 術式
MRの重症度分類
ただし、近年のAHAガイドラインでは、二次性の方がカットオフが厳しくなっており、二次性MRの方が少ない逆流量でもsevereと判断される。
MRに対する手術適応は?
重症二次性MR
虚血性MRで、CABGの適応があり、EF>30%の場合。
心房性MRの場合は、まだ十分なデータがない。
手術の種類
1. MVP (胸骨正中切開またはMICS)
MICSの適応
・胸郭前後径8cm以上でないと操作スペース的に難易度が増す。
・FAの送血管による虚血を防ぐため、送血管径よりもFA血管径が太くなくてはいけない。体格が大きな人だと19Fr (約8mm)を入れるので、FA径≧9mmが必要。
2. Annuloplasty
人工弁輪には、リジットリング、フレキシブルリング、バンドがある。全周性のものは、前尖の生理的な動きを抑制するのでSAMのリスクがある。Partial ringまたはバンドが理想的。
3. MVR (正中切開またはMICS)
MVPが困難な場合に選択される。後尖切除した場合に心破裂のリスクがある。
4. Mitraclip
+
T弁への介入が必要か検討
MVPの合併症
1. CX損傷→壁運動異常→バイパスを追加する。
2. 冠静脈洞損傷→修復 これ、どうやって気づくの??
3. ヒス束損傷→AV block→ペースメーカー
4. LCC, NCCのひきつれ→AR→糸の掛け直し
6. MS : 平均圧較差4-8mmHg程度は許容される。8mmHg以上の場合はrepumpした方が良い。
7. 遺残逆流 部位と重症度の評価
MVP後のTEEチェック事項
M弁のViewで。
・遺残逆流はありますか?ある場合は、部位と重症度を評価します。
・遺残逆流がなかったとしても、接合部位と接合の深さをチェックする。
理想的なのは、前尖と後尖の接合ラインが後尖弁輪から15mm程度の位置を保ちながら弁輪に平行で、coaptation depthが7-8mmあること。
・圧格差はどうですか?MSになっていませんか?(mPG≦ mmHg)・SAMはありませんか?
A弁のViewで。
・ARありませんか?ARが新規に出現しているまたは酷くなっている場合、LCCやNCCの動きをチェックします。
経胃短軸像で。
・壁運動異常はありませんか?特に、CX領域。
僧帽弁位人工弁の評価
MVP後、持続するmild MRが存在しても長期予後には影響しない。