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ねこだれる

140字小説まとめ その1

2016.09.10 14:37

恋人がいないので猫を飼いはじめたのだが、ある日猫の言葉が理解できるようになった。「ニャー(愛してます)」「ニャー(このままお膝にいさせてください)」「ニャー(会社になんて行かないでください)」いかん。幸せだが社会生活に影響が出始める上に絶対に婚期が遅れそうだ。#140字小説 彼女をこっぴどく振ってしまった後日、なんと指が送られてきた。当然死ぬほど驚いたが、よく見たら精巧に作られたフェイクだった。共通の友人に聞くと、その後彼女はその精巧な指や目玉など作ってネットで儲けているらしい。「気に入らない人に!」僕は以前貰ったそれを、上司の引き出しに入れることにした。#140字小説 「ストーカーされてる。どうしよう」「相手は君を知りたいんだ。いっそ全部教えてやればいい。2ヶ月は便秘だとか、実は男だとか」その後。「例の人と付き合ってる。全部伝えたけどそれでもいいと。でも向こうの愛も前より和らいだし、こっちもそれならもういいと思った」「お幸せに」#140字小説 ひょんなことから死神を助けた。「ありがとうございます。お礼にあなたの死ぬ年齢を教えましょう」「いやけっこうです」「ではあなたの夫とお子さんの」「本当にけっこうです」「ではご両親や姑と舅の」「……話を聞こうか」#140字小説 鳴り響く音が世界を苛む。この世の終わりの時が近づいているのだ。「くっ、もう少し、もう少し時間があれば、この漆黒の魔女を倒し、世界を救うことができるのに!」「はは、残念だったな勇者よ! それがお前のような虫ケラの限界というものだ! ところでお客様、延長なさいますか?」#140字小説 「ある鳥は、オスが作った巣をメスが気に入らないと蹴り壊すらしいぞ」「……そういえばうちのカミさんも、気に入らないとたまに食器や家を破壊してるぞ」「家ならまだいいじゃないか。うちなんか、たまに直接俺を破壊しようとしてくるぞ」#140字小説 「どうして僕みたいな男と結婚したの?」「それは貴方がとても素敵だからよ」「だって君みたいな美人で料理も上手な人が」「貴方だってとても素敵よ。体格はいいし、煙草も吸わないし、肉付きもいいし、脂ののりもいいし、ほどよく運動してるから肉の質も」「ごめんちょっと待って」#140字小説 「息子さんが成仏できないようで、部屋に閉じこもっています。未練があるようです」「望みはなんだ息子よ!」「……ハンター×ハンターとガラかめの続きが気になるそうです」「区切りつけて成仏しろおおお!」「ルナティック雑技団再開とかも諦めてないそうです」「それは諦めろおお!」#140字小説 「神様、内戦です! 違う民族同士で戦争をしています!」「天使たちよ鎮圧してきなさい」「猫派と犬派で戦争をしています!」「きのこ派とたけのこ派で戦争をしています!」「こしあん派とつぶあん派で戦争をしています!」「(……所詮人類は、永遠に戦争を求める生き物なのか)」#140字小説 「不治の病と言われて2年、よく頑張ったね」「ええ。原因も分からず、治療法も分からず、研究には膨大な費用がかかるといわれて……。でも私、最後の可能性にかけることにしたの」「何? 手術とか、新しい治療法?」「億万長者の老人と結婚することにしたの」「すごい新しい選択肢だ」#140字小説 高齢一人暮らしの母と連絡が取れなくなり、家に行っても誰もいない。翌日になって警察に届けたが、それから数日して帰ってきた。問い詰めると「あー、ごめんねー。ちょっと近所に出たら迷って帰れなくなったの……」と言いながら、母は私にレイとマカダミアナッツチョコを差し出した。#140字小説 成人式で小学校の同級生と再会した。彼女は今度会ってくれないかとせがんだ。約束の日、彼女はすぐに僕に大きめの包みを差し出して言った。「昔、君から鈴木君が借りパクしたゲーム、また私が借りパクしてたの。いつか返そうと思っていたんだけど、遅くなってごめん!」「(´Д` )」#140字小説 占い師「あなたは明日死にます」「死ななかったらどうしてくれるの」「占いですから、信じるかはあなた次第です」「冗談じゃないわよ! 自分の発言に責任持ちなさいよ! これじゃ恐喝よ! 訴えてやる!」「……では取り消します。忘れてください(明日といわず、今日殺そう)」#140字小説 「お母さん、お盆ってご先祖さまが帰ってくるんだよね。いつからいつまで?」「一般的には、8/13~16までかしら」「ふーん」「(この子も大きくなって、いろんなことに興味を持つようになったのね)」「(……お盆の間はいちおう、エッチな動画とか観るのはやめておこう)」#140字小説 「好きです付き合ってください!」「貴方は昔、同級生の男の子を苛めていましたね」「う、うん」「その子は学校に来なくなり、貴方はそのことを忘れてそのまま大きくなった。でもその子は」「えっ、ど、どういうこと! まさか」「お前の目の前だー!」「えっ、女……、えええええっ!」#140字小説 「これは?」「プリペイドカードよ。毎回切符を買わなくていいの」「これは?」「ICカード」「どっちも使い方が分からない」「……もしかしたら、新しい物の使い方が分からない人には、バスに乗って欲しくないんじゃ」「そんな考えだからどんどんバス路線が廃止されるんじゃないかな」#140字小説