夜、灯す プレイ日記 総評・まとめ
というわけで……
『夜、灯す』完全クリアでございます！！
1周のプレイ時間は約10時間弱。完全クリアまでは12時間ぐらいです。
ちなみに完全クリアの為にはゲームオーバーもしなければならず、
私の心はボトボトだぁ！
おのれ小夜子。
私の怒りを仮面ライダーに代弁してもらったところで、総評に移ります。
【異質を混ぜる】
夜、灯すは学生が主人公の青春ホラーノベルゲームです。
ここまではよく言えば王道、悪く言ってしまえば割とありそうな題材ですが、
百合
という、ある意味異質な要素を加えることで、購入を検討してる人の目を惹きます。実際、私も物珍しさもあって購入しました。
ただプレイしてみると分かると思うのですが、百合ではあるものの、恋愛要素は薄く、友情要素の方が圧倒的に多いです。百合は苦手、初心者という方でも難なくプレイできます。(もうちょいライトなイメージを持たせる宣伝をした方が良かったかも？)
この百合要素をうまくシナリオに織り混ぜたライターさんはお見事。女子陣が和気藹々してるだけで満足な私はスイスイ読めました。
逆に学生モノで、男女の恋愛が絡まない作品というのは珍しかったです。その分、友人関係を重点的に書いてあるためテンポは良かったですね。
余計なドラマがなく、ひとつひとつが必要なイベントでした。細かい見所が多くてブログになにを載せようか迷ったことも笑。
そしてなんといっても
青春の爽やかさからホラーの恐怖に突き落とす急落が凄い！
感情が追いつきませんでした笑。
どちらかに偏ってしまうと、どちらかが邪魔な要素に感じてしまうのですが、良いバランス配分と緩急の差をつけることで、とても面白いシナリオになってました。
【ゲーム性は選択肢のみ】
ノベルゲームは元々ゲーム性は薄いのですが、本作のゲーム性は同ジャンルの中でも薄い方だと思います。
基本的に二者択一の選択肢しかなく、この選択肢によって変わるのはGAME OVERになるか本編が続くかのどちらかしかありません。
前述した通り恋愛要素はほぼなく、選択肢によって各ヒロインルートにいったりすることも、ヒロイン特有のエンドになるこももありません。最後の選択肢のみエンディングがノーマルとグッドに変わりますが。
この唯一のゲーム性たる選択肢でさえも、10時間弱のプレイ時間で5回しか出てきません。
多分最初はサウンドノベルとして出す予定だったけど大人の都合でノベルゲームにするしかなかったと思わず邪推(真相は知りません)。
そもそも「夜、灯す」は鈴という主人公はいるものの、視点が他の主要人物に移ることが多いです。
「かまいたちの夜」などの従来のノベルゲームのように、主人公の行動に関する選択肢を何度も選ばせることで、物語を追体験させたり、主人公と感情をシンクロさせることはできません。
そういった意味でもゲーム性を設けることにあまり必要性は感じませんでした。
ただ選択肢による「この選択はGAME OVERになるかどうか」というドキドキ感を与えることには成功してますし、
なによりGAME OVER時のホラーはマジホラーです。
あえて間違った選択を踏む必要は全くないのですが、恐ろしいホラー演出は一見の価値アリです。
なんにせよゲーム性は薄くても本作が面白かったことには間違いありません。ゲーム性よりストーリーを重視してる作品だったと思いました。
【BGMの力】
本作は青春百合ホラーではありますが、さらに特筆すべき要素として箏曲部の活動を描いた物語です。
そしてそれに関連して、
劇中で流れる和のBGMがとても好きです。
箏曲をメインにして流れるBGMの数々は他のノベルゲーム、というより他ジャンルのゲームを含めてもなかなかないと思います。
これだけでも購入した甲斐がありました。
青春ホラー×百合までは今後の作品で出る可能性はあるでしょう。
しかし、
青春ホラー×百合×箏曲
は、本作でしかありえません。
それだけ上手く要素をまとめていたストーリーも見事ですが、BGMだけで魅力惹かれる作品にもなってます。
ノベルゲームだとストーリーが重要視されがちですが、本作をプレイすると物語と完全合致するBGMがとても偉大であることに気づかされました。
サントラが欲しくなるわね……。
以上で総評・まとめは終わりです。
夜、灯すはPS4・Switchで発売中でございます！
青春ホラーを味わいたい方は是非是非……！
ここまでお読みいただきありがとうございました。
それではまた次回、別のゲームでお会いしましょう。
余談です。部長が1番の推しなのは変わりませんが、エリート様のお父様がプレイ後には大好きになってました。貫禄があって面白親父とか卑怯でしょ……。余談でした。