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岩倉市職員組合からの公開質問状について

2021.01.14 13:17

市職員組合から公開質問状をいただきました

回答させていただきましたので掲載いたします


1.今後のまちづくりについて

 岩倉市は、交通の利便性が高く、小さな市域には生活に必要な施設や設備、桜や五条がわに代表される豊かな自然環境、狭いからこそ繋がりが深い地域コミュニティなど、魅力の詰まった大変住みやすいまちです。一方で、人口は5万人を超えることがなく、昼夜間人口の比率や地域経済循環率が低いといった特性も併せ持っています。現在の岩倉市をどのように捉え、今後どのようにまちづくりを進めていくお考えですか。また、具体的な施策があれば教えてください。

つかざきみおの回答

 岩倉市は、過去から将来都市像「健康で明るい緑豊かな文化都市」の実現をめざし歩んできました。市民アンケートをみてもほとんどの項目の満足度が高く、とても住みやすいまちであると考えます。

 よって、岩倉市の強みである「暮らす」まちの魅力を高めるためのまちづくりを進めます。

 五条川の堤防を健幸ロードとして整備するという施策の趣旨には賛同するところです。今後、曽野町や川井町、野寄町辺りの堤防道路の整備を進めます。また、自然生態園、神社林などの緑、田んぼや畑といった田園風景も人の心を癒す重要な要素ですので、緑の基本計画を補強し、将来の子どもたちに大切な自然を継承していきたいと考えます。

 自然だけでなく、道路や建物といった人工物に対しても、心を豊かにするという視点で取り組む必要を感じています。例えば、「桜通線」の開発は、人口も減り、車も減っていくという社会状況の中、多くの市民が現在の計画に疑問を持っています。単に道路という役割ではなく、歩道を含め「人が安らぐ広場」として利用できるような整備が必要だと考えます。その他の都市計画道路についても見直しが必要な時期に来ていると考えます。

 さらに、コロナ禍でストレスが増していることを除外してもなお、複雑多様化する社会の中で、世代を通した市民の居場所を創造する必要があります。その一つとして、民間企業との協働による健康施設(温水プール等)の整備を実現します。どんどん削られてきた子どもの遊び場であり、医療機関や介護施設との連携により高齢者のリハビリ施設として活用することもできます。このような施設を整備する際には、老朽化している図書館や市民プラザの移設を含め、複合施設化し、全体コストを抑制するとともに、その土地を税収が上がるように有効活用を図る必要もあります。


2.社会保障の充実について

 憲法25条では、「生存権及び国民生活の社会的進歩向上に努める国の義務」として、第1項では「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」とあります。このことを実現するために、第2項として「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と、国のやるべきことがかかれています。社会保障に関する問題も岩倉市民に関わる切実な問題となっています。年金、健康保険、介護保険などの社会保障制度の充実について、どのようにお考えですか。

つかざきみおの回答

 年金、健康保険、介護保険の社会保障制度は、法定受託事務、自治事務の区分の違いはありますが、国の法律により大部分の仕組みが決められており、地方自治体が裁量によって自由に運用する部分は少ないと認識しています。

 しかし、行政サービスを受ける市民に一番近い行政組織は、市町村である地方自治体です。国民健康保険や介護保険では、保険税(料)が市民の過大な負担とならないように可能な限り引上げを抑え、応能負担を強化すべきと考えます。

 全国一律で定められるものが、それぞれ異なる地域の実情にすべて合うとは限らないのではないでしょうか。国の制度であっても、地方自治体が地域目線でそのサービスを捉え、そのサービスを受ける市民から改善の声が多ければ、その声を国に上げていくことは当然だと思います。地方自治体は、国の下請け組織ではなく、対等平等だという意識をもっと持つべきだと思います。


3.高齢者福祉について

 超高齢化社会を迎え、介護需要が急激に高まる中で、介護難民や老老介護、認認介護などの問題が浮き彫りとなっています。高齢者福祉に関して、どのような施策を進めていきたいとお考えですか。

つかざきみおの回答

 介護難民、老々介護、認認介護などの問題の解決を図るためには、国や自治体の責任を堅持した上での地域包括ケアシステムを充分に機能させる必要があります。しかし、施設(ハード)・人材(ソフト)の充実と、単純に問題を切り取ってみたとしても、そこには様々な課題があります。介護報酬の改善、介護従事者の処遇改善のための国の直接的な支援、自治体の高齢者福祉施策の拡充が不可欠であり、大変大きな課題であると認識しています。

 そんな中で、私は、2025年問題を目前にして、やはり、予防介護の充実に力を注ぐべきであると考えます。

 高齢者の方が一番望んでいるのは、やはり健康ではないでしょうか。そのためには、高齢者に限ったことではありませんが、食事や運動、人との温もりあるコミュニケーションなど、ストレスを溜めない生活です。家の中に閉じこもりがちになる高齢者が散歩に出かけ、陽だまりの公園で、近所の子どもたちの楽しく遊ぶ声を聞きながらよもやま話に花を咲かせる、そんな風景があちこちでみられるような、輝きながら長生きしたいと思えるまちをめざします。


4.子育て支援について

 女性の社会進出や共働き世帯の増加により、保育園や児童館・放課後児童クラブへ子どもを預ける需要が増えています。その一方で、待機児童や子どもの貧困・虐待など、子どもを巡る様々な問題が発生しており、安心して子育てできる環境や体制、制度づくりが求められています。「岩倉で子育てしてよかった」と市民に喜ばれるまちづくりをどのように進めていくお考えですか。

つかざきみおの回答

 ここでは明確に申し上げておきたいと思います。策定された岩倉市公立保育園適正配置方針に反対します。策定過程をずっと見てきましたが、コンサル主導、委員の意見が抑圧された中で策定されたものだと感じています。保育園の適正規模というものは存在しませんし、保育士の配置基準にしても、一人一人にもっと寄り添える体制にするべきだと考えます。

 また、会計年度任用職員(パート職員)がクラス担任を持つなど、人件費の抑制のために子どもたちの保育がお金と天秤にかけられている現状を打破したいと思います。

 コロナを通して、保育園は小規模で分散されているべきだと、改めて感じました。小さな岩倉市内に7園の保育園があること、また、小規模であることは、今後も感染症や災害に強い保育園となっていくと考えています。

 まずは、現場の保育士さんたちの素直な意見が反映されること。そして、お子さんを預ける保護者の方たちとともに、もう一度、他の自治体から岩倉市の保育はすごいと言われるようなものにしていきたいと思います。

 少子高齢化の中で子どもを生む女性の立場から、結婚・出産を考えていく中で、「保育」は重要な施策であると位置づけ、生みやすい育てやすい岩倉市を目指します。

 国は小学校全学年の35人学級の推進や国民健康保険税の子どもの均等割額の減免などを打ち出しており、その状況を見ながら自治体独自で行うことができる子育て支援策を検討していきます。


5.雇用対策について

 経済的理由により進学を断念する高校生や、親の収入が減り退学せざるを得ない大学生など、様々な原因で雇用が求められる状況が拡大しています。こうした状況についてどのような雇用拡大施策をお考えですか。また、コロナ禍で自治体の人員体制の増員の必要性も明らかになったと考えますが、岩倉市役所の職員採用の拡大による雇用対策のお考えはありますか。

つかざきみおの回答

 コロナ危機は、世界でも日本でも社会の脆弱さや矛盾を明るみに出しました。まず、コロナによって退学を選択せざるを得ない状況に追い込まれている学生が増えているという現実は、絶対に行政の力によって支援しなければなりません。それは、その個人の問題であると同時に、将来的な社会損失につながる問題です。岩倉市として、どこまでできるかについては、職員、そして議会の皆様と相談しながら進めていきます。

 一方で、岩倉市のような小さな自治体で、あれもこれもということはできないと考えます。何でも岩倉市という狭いエリアで完備する必要はないし、物理的にも無理なことも出てきます。企業誘致によって雇用拡大が促進されれば、それは良いことだとは思いますが、現代の工場の多くは機械化、IT化が進み、そんなに多くの雇用は期待できないのではないでしょうか。岩倉市は、市域が狭いうえに、田畑である市街化調整区域も多く、良好な田園風景とともに交通アクセスが良いバランスが取れた「暮らす」という要素が大きいまちです。こと、雇用に対しては、もう少し広い視野で俯瞰するべきだと考えます。

 今回公約に掲げさせていただきましたオーガニック給食の実現には、地元農家や市民の協力が必要であるとともに、農業支援の強化が一つの課題となります。私は、就農者支援を雇用創出の一つとして、力を注ぎたいと考えています。


6.防災について

 政府の地震調査委員会によると、今後30年以内に南海トラフ地震が起こる確率は70〜80%にのぼるとされています。また、気候変動の影響などによる記録的な大雨災害が毎年続いており、安心して生活できるための防災対策・制度づくりが必要です。防災に関して、どのような施策を進めていくお考えですか。

つかざきみおの回答

 南海トラフ地震に見舞われたとき、広域的に、海に面した地域は津波に襲われ、建物の倒壊により、何万人もの死者が発生する事態を防ぐことは非常に困難な課題です。しかし、岩倉市の住民の被害を、極力抑えることはできます。それが防災・減災です。

 そのためには、真剣に、1軒1軒の家庭の家具の固定という小さなことから、地震からの火災に繋がらないような電気のブレーカー遮断器の取り付けやガスの自動停止装置などの普及率を100%に近くなるようにしなければなりません。下水道(雨水)整備計画の完了も急ぐ必要があります。

 また、地域防災組織についても、行政区の役員が中心になっている現状から世代交代を図る必要性を感じています。会社勤めでなかなか地域の活動に参加できない世代を、会社の理解を得るところから行政が支援し、社会全体で防災意識の醸成を図る必要があると考えます。


7.平和行政の推進について

 岩倉市は「非核平和都市宣言」を行なっています。また、「世界平和市長会議」にも加盟しています。経済の発展にとって、平和な地域、世界を維持することが重要であり、憲法9条を活かす必要があると考えます。日本国憲法前文においても、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」とあります。また、国連憲章においても、「われら連合国の人民は、われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳…」と書かれています。平和行政の推進についてどのようにお考えですか。

つかざきみおの回答

 これまでの岩倉市の平和行政に対しては、高く評価しています。近隣に軍事拠点となる施設がある中で、二度と戦争に突入することがないよう、地方自治体から発信することはとても素晴らしいことだと考えます。

 また、憲法9条の存在意義については、ノーベル平和賞にノミネートするべきだと言われるくらい、国際的、歴史的に高い評価を得ていることから鑑みても、もっと、国民全体がこの憲法9条の重みを考えるべきではないかと思います。

 全国的な組織として、憲法9条の会があり、岩倉市職員組合もその活動に賛同していると思います。今後も、そのような団体と手を取り合って、市全体で更に平和行政を推し進めたいと考えています。


8.新型コロナウイルス感染症対策について

 2020年当初から全世界で拡大した新型コロナウイルス感染症は、1年経過した現在も収束に向かうどころか、第2派・第3派と猛威を振るい続け、私たちの健康だけでなく経済までもを脅かしています。新型コロナウイルス感染症から市民を守り、地域経済を維持するためにどのような対策をお考えですか。

つかざきみおの回答

 まず、PCR検査を受けたい人に対し、無料で検査を受けることができるようにします。

 新型コロナウイルス感染症対策は、手洗いの励行、マスクの着用、三密をさけるなどの実践しかないわけですが、それに加えて、食生活や運動、ストレスを軽減するといった肉体的・精神的な健康状態を維持し、免疫力を高めることが大事です。PCR検査により、安心して人に接することができ、過度なストレスから解放されるようになります。

 今後、長引くことが予想されるコロナ禍の中で、いかに地域経済を守るかという視点もとても重要です。国、県とは対等平等の関係であることを常に念頭に置き、国や県が考える支援策を補強し、修正する事務事業を考え、実行していくことが必要だと考えます。


9.職員の職場環境・労働条件の整備について

 ICT技術の活用などによって業務の効率化が図られていますが、その一方で、住民サービスの多くはマンパワーに依存する部分も大きいことに変わりはありません。住民のニーズは日々変容し、それに合わせて業務も多様化しています。今後は、新型コロナウイルス感染症の影響により、さらなる業務の増加、複雑化も予想されます。このような厳しい状況の中でも、市民サービスを維持・向上し、市民に満足してもらえる岩倉市を守っていくには、私たち職員が最大限に能力を発揮することが重要であり、そのためには、安心して働ける環境づくりが不可欠です。私たちの職場環境・労働環境の整備について、どのようにお考えですか。

つかざきみおの回答

 職員の職場環境・労働条件の状況については、職員組合の指摘どおりだと思います。また、決して風通しが良いように見えません。

 事務の増加や複雑化、住民ニーズへの対応などで深夜まで市役所の電灯が点いている状況も見てきました。

 いくら、コンピュータが進化し、AIが賢くなったとしても、住民に温もりある行政サービスを届けることができるのは、生身の職員です。

 必要な人員配置はもちろん、労働環境・労働条件を先駆的に確立していくべきだと考えます。

 公約に、市長給与50%カットを掲げましたが、職員の労働環境・労働条件の整備を最優先に考え、自ら身を切るものであり、職員給与に反映するものではありません。今後、コロナ危機を乗り越えていく、また、災害に対応するためには、職員体制の強化が必要です。市民福祉の実現のために、人件費を含めて関連予算の拡大が不可欠であると考えています。


質問いただき、ありがとうございました