40歳の方は比較的妊娠します…その③
おち夢クリニック名古屋 桑波田先生のお話
『i-wish ママになりたい 40歳からの不妊治療』より
ご夫婦の子どもへの希望と治療をすることへの限界
治療後の選択肢も複雑に絡み合う、とても厳しいけれども意味深い治療です。
おち夢クリニック
桑波田先生
あまり気負いすぎることはない
40歳からの不妊治療後の出産
先生■どちらかといえば若い方は、いろいろな情報をつかみとっていきやすい面があります。こちらがまだ早いと思っていても、早めに治療をはじめられることで、早発閉経になる前に少しでもいい条件のうちに治療に臨めば、それでいい結果に結びつくチャンスも大きいです。
確かに、今はいろいろな情報があって良いかと思いますね。当院の院長(越知正憲)も分りやすいAMHの本を出していますよ。
編集■そういう意味では、女性は自分にとって何が必要かということを、生涯のうちでも早めにつかみ取らないといけないということですね。教育にも関係することですが。
先生■本当ですね。私も女性医師として、そして産婦人科医&不妊治療専門医として、持てる情報はしっかり皆様に提供していき たいと思っています。
<妊娠後のケアは?>
編集■高年齢の方が妊娠された場合、妊娠後のケアはどこまで?
先生■年齢に関係なく、妊娠後は8週9週ぐらいまで診て、それ以降は周産期医療の先生にお任せします。
40歳を過ぎてくると早産が増えてきたり、妊娠に伴う合併症も増えてきますから、注意も必要です。妊娠中の健康管理が大事なことですから、そこでしっかり 診てくださる周産期の先生には、本当に頭が下がります。こちらとしては、難しい患者さんを送ってしまってはいないかと感謝と申し訳ない気持ちを持つのです が、お子さんが生まれればとても幸せじゃないですか。
お父さんもお母さんも年がいっている分、愛情いっぱいで、送られてくるお手紙や写真を見ていても、 とてもいいと思います。
<高年齢によるリスクは?>
編集■リスク面ではいかがでしょう?
先生■高年齢の方にとっては、妊娠に至るまでが苦労するところで、妊娠中も分娩時も、不妊治療や体外受精が原因でリスクが高いということはないと思います。
年齢的な要因から、早産が増えるとか、帝王切開が増えるとかはあるようですが、今では周産期との連携もしっかりとれていますし、自然妊娠での出産ともリスク面ではあまり変わらないようですから、とくに心配するということはないと思います。
<最後に先生からのメッセージを!>
編集■最後に先生からメッセージをお願いします。
先生■妊娠がゴールでもなく、出産もゴールではなく、それが、子育て、家族生活という一生に通じる始まりであることをしっかり頭に、どうぞ、ご自身の希望と身体に正直なところで、無理のないよう治療をされて下さい。