V.F.G. VF-25G スーパーメサイア クラン・クラン レビュー
2021.01.19 04:12
今回のレビューは、ノンスケール ヴァリアブルファイターガールズ より、
“V.F.G. マクロスF VF-25G スーパーメサイア クラン・クラン” です。
マクロスシリーズの代名詞である可変戦闘機、VF(ヴァリアブルファイター)のキットとガールキットとを融合させたアオシマのV.F.G.(ヴァリアブルファイターガールズ)シリーズに、
“マクロスF(フロンティア)” より、
狙撃仕様の青いミシェル機と劇中キャラ、クラン・クランを組み合わせた
“VF-25G スーパーメサイア クラン・クラン” が登場しました。
2019年12月に発売されたVF-25S メサイアに続く2機めのメサイアです。
今回は劇中でミシェルことミハエル・ブランが搭乗した狙撃仕様のVF-25Gにスーパーパックを装備したスーパーメサイア。
しかも、ガール素体のモチーフはミシェルの幼馴染みで同じ民間軍事プロバイダーS.M.Sのピクシー小隊の隊長、クラン・クラン。
過去のVFGのガール素体はキットオリジナルデザインの美少女キャラでしたが、今回初めて作中キャラがモチーフに選ばれました。
なんか、今までは権利関係とかいろいろあったのかな? わかりませんが。
僕はマクロスシリーズでは唯一Fのみリアルタイムで観ていたので、やはりVFのなかではメサイアが1番好きなんですよね。
もっとも、先に発売されたオズマ機モチーフのVF-25Sのガール素体は、誰? という感じの金髪ギャルだったので、とりあえずスルー。
いずれバリエーションが来るはずだし、きっとスナイパーライフルを付けてくれるだろうミシェル機を待とう。そのときのガール素体がクランっぽいコだったらいいなぁ・・と思っていたら、本当に来たよ。
しかもスーパーパック付きで、アーマードクランも再現可能とか!
いやはや、期待していた以上の仕様でした。
というか、ここへきてようやくV.F.G.は本来あるべきフォーマットになってくれたのかもしれません。
今後もメサイアのバリエーションとしてアルト機やルカ機の発売もあると思いますが、アルト機にシェリル、ルカ機にランカモチーフのガール素体がセットになってくれたら非常に嬉しい。
まぁ、ルカ×ランカは完全な数合わせですけどね。
本来なら兄弟で来てほしかった。
もちろん、オズマ機にスーパーパック追加でガールはランカモチーフにチェンジというワンチャンもある気がする。
その場合、ルカ機はどうするのか? という問題もありますが。
それでは、レビューしていきます。
キットは素組みに一部塗装、付属シール、デカールでの仕上げです。
と、その前に、まずその箱のでかさに驚き。
縦横のサイズがジークフリードの箱のおよそ2倍(よりは少し小さい)。厚みも1㎝くらい勝ってます。
まぁ、定価で万超えのキットでありますし、そうなるのも当然といえば当然なんですが。
そもそもV.F.G.は版権料がかかるのか、相場的に少しお高い印象はあります。
クラン・クラン
マクロスFに登場するクラン・クランその人・・というよりは、~っぽい人という解釈のほうがいいのかもしれない。
本来の姿であるゼントラーディ人状態がモチーフになっていますが、いろいろと小さい。
ゼントラーディ人とは、マクロスシリーズに登場する、いわゆる巨人タイプの宇宙人で、最初は人類の敵として登場しましたがのちに和解、共存するようになった種族です。
マイクローン化という地球人サイズにまで身体を縮小させる技術も持っており、その結果地球人とゼントラーディ人との間での結婚やハーフの誕生もあったりします。
マイクローン化にあたっては、基本ゼントラーディ人の姿のまま縮小されるのですが、なぜかクランは思考も含めて幼女化(小学生くらいか)してしまうというキャラクターでした。
本来のグラマーな大人の女性(といっても18、9歳ですが)とのギャップが印象的で、むしろ今回もマイクローン状態でのキット化を望んでいたファンも少なくないはず。
かく言う僕もその1人です(笑)。
今回のキットでは、おそらく先のVF-25S メサイアガールから大半のパーツを流用しつつ、頭部や胸部に新規パーツを使用し、劇中のパイロットスーツ姿をイメージした姿が再現されています。
しかし、オリジナルのゼントラーディ人状態のデザインよりは華奢というか、もう少し若い感じですかね。
劇中のパイロットスーツに較べ胸元や太腿など、肌の露出が増えています。
もちろん、肌は若干褐色。
なお、例によって色分けのために色違いの同型ランナー、あるいは同形状のパーツが複数入っていたりするので、好みで配色を変えることもできます。
ほか、そこそこ余剰パーツも出ます。
第1弾のジークフリード、いくつか空けてスクルドに続いて個人的には3人めのV.F.G.ですが、ガール素体の基本構造に大きな変化はありません。
ただ成型色での色分け精度はかなり向上してますね。
色が足りないのはカチューシャ(?)のFマークと首許のS.M.Sのエンブレムくらい。それらもシールでフォローされています・・が、エンブレムパーツ、組み換え中に紛失してしまいました(もちろんシール貼った状態で・・泣)。幸い同形状のパーツ(成型色はガンメタ)が余剰で1つあったので、それを付けいます。
コトブキヤのFAGなどと較べるとかなりシンプルな構造ですが、プロポーション的には肩幅狭めで脚が長く、かなりグラマラス。
過去のV.F.G.たちもなかなかのものでしたが、今回のクランはおそらく最大級を誇るものと思われます。
なにが、とは言いませんが、控えめに言ってロケットです(笑)。
腰にはダボ穴があり、通常は蓋パーツをしておきますが、スタンド使用時やバトロイドモードへの合体時にはこれを外して専用のジョイントパーツを取り付けることになります。
この蓋パーツも非常に小さいので紛失注意です(切実)。
フェイスパーツは
澄まし顔
叫び顔
ダメージ顔
の3種のほか、アイプリントなしのパーツが2個(口を閉じた状態、開けた状態が1つずつ)付属します。
もちろんアイデカールも付属。
肝心の顔付きですが、やはりオリジナルに較べ幾分幼い雰囲気になっています。というか、眉毛はもう少し太いほうが・・
さらにボーナスパーツしてアクセサリが2種付属。
モノクルモニター
スナイパーライフル射撃時に使用する照準用モニターです。
透明クリアパーツ製で、照準マークが水転写式デカールで付属。
画像では貼っているのですが、ちょっとわかりにくいですね。
メガネ
幼馴染みのミシェルがかけていたもので、劇中では彼の死後、割れてしまったそのメガネをクランが形見として持っていくわけですが、キットでは画像の通り割れていない状態のメガネが付属。
そのメガネについて、パッケージ等では幸せの世界線と書かれてあり、思わず目頭が熱くなりました。切ない。
まぁ、劇中での彼女たちの境遇を不幸としてしまうのは、それはまた違うとも思うのですが・・
モノクルモニター同様透明クリアパーツ製で、今回はフレーム部分をピンクで塗りました。
モノクルモニター、メガネ共にダボ穴の空いた専用モミアゲパーツにはめ込んで取り付ける仕様です。
しかし、フェイスパーツの交換も含め、毎度頭部パーツをほぼバラさなければならない・・というかなり面倒な仕様。
前回、スクルドでは随分楽になったと思ったのに・・
巨大なツインテールは軸接続で可動。
軸はそのままだとわりと緩めで、そのため破損の心配はなさそうですが、いずれテール自体の重さに耐えられずにへたりそうなので調整は必要だと思います。
モミアゲもわずかに可動します。
ハンドパーツはボールジョイント接続なので可動域はそれなり。
本来は指先の開いた紫の手袋をしているのですが、キットでは肌色成型です(今回はそのまま)。
なお、全体にポロリしやすいので、可動や組み換えに関係しないパーツはどんどん接着してしまったほうがいいかも。
VF-25G メサイア
可変戦闘機ヴァリアブルファイター(以下、VF)。
マクロスFではVF-25 メサイアが広く運用されていました。
用途に応じた仕様変更機も複数存在し、G型は長距離狙撃用として専用スナイパーライフルと精密射撃用の各種機器を標準装備しています。
劇中に登場したミシェル機は濃いブルーのパーソナルカラーで塗られていました。
今回のキットではそのカラーリングを成型色とシールで再現しています。
ファイターモード
先のVF-25S(オズマ機モチーフ)とは基本ただの色違いで、外見上は頭部ユニットのみ違うようです。
非常に美しく機能的な可変戦闘機のデザインが、忠実に再現されていると思います。
薄い部分は薄く、鋭い部分はしっかり鋭く造形されており、航空機のスケールモデルとしても普通に見られるレベルなんじゃないでしょうか。
VFといえば複雑なカラーリング、マーキングが特徴でもありますが、今回はその再現にホイルシールを使用。
V.F.G.第1弾キットのジークフリードではガール素体含め、そのカラー再現にビニール素材のシールが採用されていましたが、薄いビニール素材は下地が透けるうえ粘着力も低く剥がれまくって大変でした。
ホイルシールに変更されたことで、とりあえず透けることも、そう簡単に剥がれることもなくなったので、塗装スキルの低い僕なんかにとってはありがたいです。
成型色とシールだけでほぼ設定のカラーを再現可能ですが、マーキングも含めてすべてホイルシールです。
全塗装するほどの上級者用には、別売りで水転写式デカールのセットがあるようです。
なお、今回はこの通常形態とスーパーパック装備形態のコンパチーブルキット・・つまり、どちらか一方を選択して組む仕様になっています。
スーパーパックは単純にポン付けできるものと思っていたので、おおぅ・・となりましたが、かつてのバンダイ製1/72スケールキットでもほぼ同様に組み込み式だったらしく、あらためてマクロスキットの手強さを思い知りました。
今回は一部のパーツを加工したり、内部のフレームパーツには基本的にパック装備仕様のものを使うなどして、なんとかバラすのは最小限で通常⇔パック装備の換装が可能なようにしました。
そのため、見ためには通常形態のファイターおよびガウォークモードで上面に軸が4本(シールドの分も含む)飛び出し、2箇所の穴が空いている状態になってしまいましたが、まぁ許容範囲でしょう。
ガウォークモード
今回も一部差し換えで変形が再現されますが、ジークフリードと較べるとかなり手順が整理され、安定感も増しています。
青い線の左側がファイターモードから取り外すパーツ。右側が追加パーツです。
Aのパーツは余剰になります。なお、そのパーツは通常仕様とパック装備仕様とで異なります。
緑で囲んだパーツはサイドアーマー接続用のジョイントパーツですが、これも通常仕様とパック仕様とでは形状が異なります。
腕部をまるまる追加するかたちはジークフリード型から引き続きの仕様。
ハンドパーツは画像の平手のほか、握り手と武器持ち手がそれぞれ左右分付属します。
変形・・というか組み換え完了。
VFの代名詞。ファイターモードの機首はそのままに、バトロイド形態の腕部と脚部を展開した中間形態です。
ジークフリード型から金型が一新されており、基本構造こそおおよそ引き継がれてはいますがプロポーション、可動性能ともに向上しています。
とくに脚部(足首)の可動性がよくなったため、接地性が増しました。
ガール搭乗。
搭乗時はハンドルパーツを取り付けます。
ジークフリード型では単純に上から取り付けるだけでしたが、メサイア型ではバトロイドモードの頭部パーツが分離可能で、それを組み込むかたちになっています。
ハンドル基部にはモニターや計器がプリントされたシールを貼ります。
脚部装甲を開いたガール用のステップにはダボ穴があり、ヒール側のダボ穴に差し込んで固定するのですが、安定性はイマイチです。