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大学院生活 ガイド

修士論文はなぜ書くの?

2021.01.16 02:13


多くの研究科では、

最終的には、「修士論文を書く」ことを目指します。


多くの社会人院生は、

なんとなく修論を

「書かなければいけないもの」と思っているだけで、

「なぜ書くのか?」には無頓着です。


では、なぜ大学院では修論を書くのでしょうか?

photo by elena-mozhvilo-fJeKNKHInYo on unsplash


それは、

社会科学の手続き、思考法を学ぶため

です。


わたしたちは、

どれだけ知識として学んでも、

すぐに実行できるわけではありません。

『戦争論』を著したクラウゼヴィッツは、


  知識―理論を知っていること

  能力―適切な判断が下せること


と述べて、これら2つを区別しています。


授業では、「知識を得る」ことはできます。

しかし、それが「判断力を養う」ことにはなりません。


判断する力は、
実際に経験する中で身につくものです。


つまり

とにもかくにも完成品(に近い状態の作品)を

つくり上げる中で、

培われていくものなのです。


このように考えると、

修論とは、論文としての完成品というよりも、

絵画における「習作」に近いですね。


このことを理解して修論に取り組めば、

修論執筆をむやみに恐れる必要はなくなりますよ!


参考文献

川村康之『60分で名著快読――クラウゼヴィッツ「戦争論」』日本経済新聞出版会