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とんで、人魚

2021.01.16 14:51

包帯のこしてのこった傷跡

だけが人の形をしていた


あかるくきれいなそこは

水飛沫をあげて軽やかに跳ねていて

わたしは引き下がる

どうしても、見てはいけないものみたいで

氷の結晶

割れたレンズに遠くの山をうつして

なげく


あかるかったころの傷跡をなでている

もう帰れなかった家の呼び鈴を鳴らして

ひとり、うすく、どうでもよくなった

おもちゃを握り崩して

「ありがとう」っていった

耐えられないほど

やさしいきもちになった


花畑がみえる

人形たちが、はねてはかえす

もう帰れないと思う

石炭袋で降りた

ジョバンニのなりはて