卵巣予備能を参考に治療工夫…その③
とくおかレディースクリニック院長 徳岡晋先生のお話
『i-wish ママになりたい 40歳からの不妊治療』より
40歳からの不妊治療といっても、一概に年齢では測れないし、個人差のある卵巣予備能。 AMH値で得た卵巣予備能を参考に、それぞれの治療を、スピードアップして診療していくのがポイント。
とくおかレディースクリニック院長
徳岡晋先生
生活リズムを整えストレスを溜めない
<日常生活で注意することは何でしょう?>
基本的なことですが、バランスよく食べることですね。食事で摂取しきれない栄養素についてはサプリメントを利用するのもいいでしょう。それから、夜はしっかり眠る。特に働いていると難しい面もあるでしょうが、なるべく夜更かしをせずに睡眠をとる。朝に回せる仕事は朝起きてする。やはり、人間本来のバイオリズムに沿った生活をするように心がけたほうがいいでしょう。
これで排卵のリズムが整うとは言えませんが、生活のストレスがからだに思わぬ影響を及ぼしているかもしれませんからね。
<治療のストレスを解消するオススメの方法などはありますか?>
おいしいものを食べる、映画を観る…方法は何でも構いません。
運動をして汗をかくのもいいですね。
行きづまったときに体を動かすと、気分がすっきりしてストレス解消になりますからね。その意味では、当院で実施している骨盤エクササイズの参加者も増えてきました。
不妊治療は1周期ごとに結果が白黒はっきり出るので気持ちのコントロールが難しいのですが、落ちこみすぎると次の治療に影響を及ぼしかねません。話すことで心が軽くなることもありますから、カウンセリングを利用するのもいいでしょう。
妊娠に向かって 一歩でも前に進む
<治療の終わりについては、どう対応していますか?>
採卵を何回したから、移植を何回したから、治療はこれで終りと回数で区切ることはありません。ただ、卵が採れなくなったらお伝えします。年齢のラインをひくのは難しいのですが、45歳が目安になると感じています。42、43歳の方は比較的妊娠されますからね。
それよりも患者さん自身で「移植を○回したら休もう」とか、「年齢が○歳になるまで頑張ってみよう」と、治療の終りを決めていることが多いです。これは経済的なことであったり、患者さんがどういう治療を望んでいるかと、今後のライフプランなどのバックグラウンドが関わっていると感じます。
ですから、患者さんに沿った的確なアドバイスをするように心がけています。
最後に患者さんに 一言お願いします
今回は、40歳からの不妊治療ということで、不妊治療施設のどの先生も治療には一番配慮されていらっしゃる話かと思います。そして、必ずしも良い結果ばかりが得られるということではありませんから、みなさん更に良い方法はないかと、限界が見えてくる中、切実な思いにもかられていることでしょう。
患者さんにとっても、確かに年齢が高くなると、これで妊娠するという決定打はなかなか無いと思いますが、今はAMH値を調べて状態を診るということができますから、なるべく早いうちにご自分の卵巣の状態を知り、どのように治療を受けるのが良策かを共に考え、また生活面で補えることがあればそれも補いながら、妊娠に向かって一歩でも進んでいきましょう。
気持ちは一つです。