夏の終わりと、母との別れ その10
2016.09.15 03:25
母の手帳に、最期に書き残されていたメッセージのうちに。
こういうものがありました。
担当医様
ざこつしんけいばかりと思ってました
骨ガンにてんいしてたのでしょう
手術はやめてやすらか眠らせて下さい
くいはありません
母は腰痛だと、坐骨神経痛だとずっと話していました。
わたしたち家族に嘘をついていたわけではなくて…
母自身も、最初はそう信じていたんでしょうか。
いよいよ力尽きる時まで、そう信じたいと思っていたんでしょうか。
でも癌だと、一体どこで気づいたんでしょう?
メールや検索履歴に、そういう情報は一切ありませんでした。
腰の痛みと筋肉の劣化で動けなかったので、こっそり病院へ行けたはずもなく。
乳がんについては、お医者様の言われたように。
肌の表面にまで、あれだけ症状が出ていたら…気づかないわけがないでしょう。
ただ腰については、最後の最後まで…
転移という可能性を思いつつも、腰痛だと信じたかったのかもしれません…。
腰痛であるなら、身体はまたきっと動くようになるはず。
死は覚悟していても、腰痛が治れば…
その前にやりたいことをやる時間が、とれるはず。
そう思って、筋肉が落ちて動かない足を身体を叱咤して。
治療院に通っていたんでしょうか…。
母には学生時代の仲の良い友達たちと、ここ数年よく旅に出ていて。
この10月にも、旅行の計画を立てていたそうです。
昨年はベラビスタに行った、温泉に行ったと楽しそうに話していましたし。
この春も腰の痛みを堪えて京都に行き、その時の話も聞かせてもらいました。
そして10月の旅行もすごく楽しみにしていたようで…
その他のお友達にも旅の計画を話していたり、着ていく服の準備をしていたようです。
最期にこれだけは…と思って、必死に癌の進行に抗っていたのかもしれません。