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中山身語正宗覚弘院

鬼子母神物語から(令和3年1月法話)

2021.01.19 03:47

鬼子母神(きしぼじん)という名前を聞いた方もおられるかも知れませんし、初めて聞かれる方もおられると思います。

鬼子母神は、子供を食べてしまう恐ろしい夜叉(やしゃ)なのです。

そう聞くと、夜叉とは恐ろしいものだと思いますが、本来は恐ろしい存在でなく、

自分の住む国を守り、人々に安心を与える存在でした。

その様な夜叉に生まれた鬼子母神ですが、

過去世の因縁からか、人間の子供を食べたいと思うようになり、

そして、人間の子供を食べるようになりました。

すると当然のことながら、その国の人々の恐怖心は計り知れません。

そこで、色々な方策が立てられましたが、どうすることもできません。

最終的には、お釈迦様の出番が回ってきます。

☆  ☆

今回は、私たち人間の世界の外に「夜叉の世界」があると教えて頂いています。

夜叉というと鬼を連想し、恐いもののように思っていましたが、

自分が住んでいる国のことを考え、守っている方々であると。

当然、人間よりも強い方々なのでしょうが、

その様な夜叉も、自分の因縁に翻弄されてしまう、

自分ではどうしようもない事もあるのだ、ということです。

六道輪廻の世界に住む苦しみが説かれています。

そうした私達が最後にすがれるのは、お釈迦様・仏様であると、ここでも教えて頂いております。