About Putu Sutawijaya(日本語版)
putu sutawijayaについて
私が2019年にお世話になった、sangkring art spaceのボス、プートゥさん。
言わずと知れた大御所アーティストで、老若男女からバッ・プートゥ(尊敬の意を込めてのバッ)と呼ばれています。
sangkring内では常に気さくで、若いアーティストたちを育て、助けています。
その為、sangkring内には常に訪問者がおり、真面目な話をしたり、皆んなで歌を歌ったり、時に展示やライブがあったりと、様々な方たちのハブとなっています。
sangkringのことを書くだけで莫大な文字数になるので、ここでは省略し、バッ・プートゥのアートワークについて言及したいと思います。
Pak PUTUは とにかく筆が速く、その速度は超人的です。
滞在中、キャンディプラオ山という遺跡のスケッチに連れて行ってくれた際、着いて僕が遺跡を観察している間に沢山のスケッチを既に終わらせていました。
さらに、sangkring内で真っ白な200号以上のキャンバスに、アタリを一切取らずに描き出したかと思うと、皆が遊びながら見ている中、30分経たないほどで完成をさせてしまいました。(ダイナミックな筆跡ですが、恐ろしい事に緻密さがあり、まるで魔法を見ているかのようでした、、。)
でかい絵なのに凄い!と僕がいうと、スディキッサイズ(このサイズは小さいよ)と一言、、規格外です。!
このように、経歴や技巧は超一流ですが、僕が一番凄いと感じたのは、作品にこもっている精神性です。
バッ・プートゥはバリ・ヒンズーを信仰しているため、作品内に度々神様が出てきます。
さらにどれだけ大きなキャンバスだとしても、描く際は現地に赴いての仕事を徹底しています。
画材にもルーティンの様な拘りがあり、度々中国墨(恐らく水墨)を使用して一気に描き上げます。
宗教、画材、スピード、場の気 等、それらの条件で描く方法は、バリ・ヒンズーの神様を自身に下ろして絵を現像させているかの様で、制作中は勿論のこと、完成した作品にも凄まじいエネルギーを感じます。度々神憑きの踊りを披露してくれていました。
生き方(精神性)、技巧などが噛み合った上で、何か超上的な存在が降りないと作品は完成しないという、ある種の昇華された儀式を観ることの贅沢を、バッ・プートゥの作品を見ることで是非一緒に体験しましょう!
(バッ・プートゥは本当に若いアーティストを大事にし、sangkring内の音楽スタジオを貸したり、施設内で絵を描く場を提供したり、さらに断食後の食事提供もするため、若いアーティストたちも尊敬し、その為か精神性に重きを置くことの影響を受けているように感じます。最近はsangkring art academyという名で、絵の技術を教えたりしているみたいです。ちなみに若いアーティストたち(ユサ&シャリフ)とイクラスというバンドも結成しています!正に超人ですね)
安藤圭汰評