ラーメン海鳴 清川店(渡辺通)
2016.09.13 03:00
2009年の創業以来、人気を集め続けて今や5店舗を構えるまでに成長した海鳴。ここ数年の福岡ラーメンのキーワードでもある「脱豚骨」の嚆矢的な存在と言っても良いだろう。その創業店である清川店へ久々に訪問してみた。
白濁豚骨一辺倒だった福岡の地で、なかなか馴染みの薄かった「魚介豚骨」を打ち出したのは、他では食べられないものを追求した結果。2種類の豚骨スープをブレンドし、そこに煮干や鰹節で取った和出汁を合わせる。魚介豚骨と言っても東京とは設計が異なり、あくまでも豚骨に軸足が置かれたバランスは、福岡でなければ生まれなかっただろう。
自家製の中細ストレート麺は硬すぎず柔らかすぎず、絶妙の茹で加減。しなやかでありながら、ザクッとした歯切れの良い食感も同時に持っている。程よい粘度のスープとの親和性も非常に高い。笹掻きされた九州産白ネギも食感と風味の良いアクセントになっている。
ラーメンには色々な可能性がある。それを福岡の地で高らかに宣言した、エポックメイキング的な一杯は、創業して7年経った今も孤高の存在感を持っている。
ラーメン海鳴 清川店
福岡市中央区清川1-2-8
市営地下鉄七隈線「渡辺通」駅より徒歩6分、西鉄バス「柳橋」バス停より徒歩2分