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Botanical Muse

美肌の科学 コラーゲンを生み出す力

2021.03.08 08:11

コラーゲンはタンパク質の一種であり、炭水化物・脂質とともに三大栄養素と呼ばれ、人体を構成する重要な成分のひとつである。肉眼的には白色にみえ、煮ると膠(ゼラチン)を生じることから膠原線維と名づけられている。



【コラーゲンの役割】

ヒトの身体をつくっているタンパク質のうち、約30%がコラーゲンとされている。コラーゲンと聞くと私達は顔などの皮膚をいちばんに連想するが、その皮膚の約70%はコラーゲンが占めている。もちろんコラーゲンは皮膚だけでなく身体全体のあらゆる部分に存在しており、骨や血管などに多く含まれている。

例えば、体重53kgの平均的な日本人女性の場合、体内のコラーゲンは約3kg、500mlのペットボトル約6本分にもなる。

高齢者に多い骨粗しょう症は、カルシウム不足だけでなく加齢による体内のコラーゲンの減少も原因の一つとなっている。コラーゲンが骨の内側の柔軟性を保つことで、骨がもろく折れやすくなることを防いでいる。このように身体や臓器の枠組みを保つ役割を持っているコラーゲンは、体内のいろいろなところで重要な役目を果たしている。



【皮膚におけるコラーゲン】

ヒトの体内にあるコラーゲンは、現在までに分かっているところ全部で29種類、Ⅰ型、Ⅱ型…という型で分類されている。

皮膚にある9種類のコラーゲンの中でもⅠ型、Ⅳ型、Ⅶ型の3つのコラーゲンは、肌のハリや弾力を保つために必ず必要なものといわれている。Ⅳ型、Ⅶ型コラーゲンは、基底膜と呼ばれる、表皮と真皮の境に存在する膜の付近に、正しい構造で存在することがハリや弾力のある美しい肌のためにとても大切とされている。

皮膚が老化すると、真皮に存在するⅠ型、Ⅲ型のコラーゲンが減少するとともに変性し、ハリや弾力が低下することが知られている。また基底膜に存在する表皮を健やかな状態に保つ働きをしているⅣ型は、紫外線によって分解される。



【コラーゲンを生み出す力】

日々失われていくコラーゲンをサプリメントや食品などで補っていくことが、これまで進められてきたが、現在はコラーゲンを新たに「生み出す力」にも注目が集まっている。


実はコラーゲンは栄養価としては非常に低く、栄養素として摂取する必要性はない。コラーゲンはタンパク質の一種なので、体内に吸収されると消化管でアミノ酸、ジペプチド、トリペプチドなどに分解され、小腸から吸収されて取り込まれ、血液によって身体のいろいろな部分に運ばれていく。そのため、コラーゲンが多く含まれる食べ物やコラーゲンのサプリメントなどを摂取したからといって、それがそのままコラーゲンとして皮膚に影響を与えるわけではない。

最近の研究では、コラーゲンぺプチドの摂取によって、皮膚のコラーゲン量が増えるというよりは、むしろ皮膚の水分量が増加することが明らかになっている。


しかし既に述べたとおり、身体や臓器の枠組みをつくるタンパク質であるため、コラーゲンが減少すると、皮膚はシワやたるみができやすくなるだけでなく、身体のいろいろな組織がもろくなってしまう。コラーゲンは体の中で生み出すことができるため、自らコラーゲンを「生み出す力」を高めていくことが重要である。



【コラーゲンの産生を促進する食べ物】

皮膚の弾力を保つコラーゲンは真皮の線維芽細胞がつくり出す物質である。線維芽細胞に日々必要な成分(タンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラル)を送り出すことが大切で、常にバランスの良い食事を心がけることが重要になる。特にコラーゲンと相性の良い成分も意識してとり入れると健康美体質へ導き、美容にもよい。


《コラーゲンと良い相性の成分》

●コエンザイムQ10・・・牛肉、豚肉、レバー、カツオ、イワシ、サバ、ブロッコリー、落花生、大豆など

●オルニチン・・・シジミ、キハダマグロ、ヒラメ、しめじ、チーズなど

●ビタミンC・・・さつまいも、じゃがいも、赤ピーマン、菜の花、ブロッコリー、芽キャベニガウリ、ルッコラ、レモン、柿、キウイフルーツ、いちご、グァバ、海苔など





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