親父のこと その2
どうもどうも
「ザ・ライフ・コーチャー えるびす」こと、みうらまさるです。
今から13年ほど前
すでに結婚し独立していた僕が
ある夜、妻と食事から自宅に帰り
リビングに入ったとたんに
電話が鳴り響きました。
電話をとると僕の兄弟からでした。
「お父さんが暴れてるから助けて!」
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今にして思えば
彼は精神的に病んでいたと思います。
その電話のあった日の数年前から
何十年もやっていた自営業が
うまく行かなくなり
店を畳むことになり
店舗兼住宅だったために引っ越し。
親父と母親と僕以外の兄弟あわせて
4人で支払っていくという約束で
一戸建てを買いました。
ちょっと無茶ではあったけれど
そこまではまだ良かった。
親父、母親と兄弟はそれぞれ頑張って仕事して
順調にやっていました。
お金の管理は全て親父が担当でした。
親父も最初は順調だったのですが。
長年の職人根性と短気な性格が災いし
同じところにずっと勤めるということが
できませんでした。
そんなある日
支払いが滞ることになり
親父に確認すると
使途不明金が発覚しました。
お金のもめ事はやはり怖いもので
彼はいっぺんに家族からの信頼を失います。
その時親父はすでに仕事が安定しない状態になり
家にいることも多かったと思います。
おそらく彼はかなりのプレッシャーを感じていたのでは
ないかと思います。
何十年と続けていた自営業を潰し
今まで自分でずっとひとり親方をやっていたので
就職するも、雇用されるということに慣れることができず
そこでのやり方をやる前に
自分のやり方を押し通すものだから
使いづらくて相手にされなくなり
しまいには喧嘩して辞めるの繰り返し。
ちゃんとやらなきゃという思いもあるものの
「我」が優先されていてうまくいかなかったのでは
ないのかなと思います。
そして、同居の家族からの扱いも
冷たくなり、言葉遣いも悪くなる。
その事件を起こす前までには
ほぼ浮いた存在になっていました。
でも仕方が無いんですよ。
稼ぎが悪いのに、一番威張ってて
それで無断でお金使ってたら
そりゃ信用失いますよ。
でもね、彼なりにストレスを感じてて
多分精神的には参ってたと思います。
そのせいか
事件を起こす数ヶ月前にその家に行った時
見た目は普通なんですが
話し始めると
こっちが聞いてる聞いていないに関わらず
ずーっと同じことを一方的に話していたのです。
内容が自慢話がほとんどだったので
また言ってるよ位にしか思っていなかったのですが。
今にして思えばすでに病んでいたのではないかと思います。
すでに家族の中で浮いた存在になっていた親父は
家の中で居場所が無くなっている状態で
そこでシュンとしていれば違っていたのでしょうが
おそらく彼にしてみれば
今まで自分の腕一本で食わせてきたのに
何だお前らのその態度は!
くらいの怒りにまみれていただろうと思います。
そして実際それが態度にも出ていた。
たとえ家族であっても
そんな人を受け入れることは
難しかったのです。
そして電話があったその日
親父はとうとう家族に暴力を振るってしまいました。
最後には包丁を持ち出すような・・・。
多分追い込まれていたんだと思います。
正確に言うなら
自分で自分を追い込んでしまっていたのです。
駆けつけた時
命に関わるような
大きな怪我をしているものはいませんでしたが
家の中は怒りと恐怖が
充満していました。
ではでは。