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射撃の大学

「重心」のとり方と右足の重要性

2021.01.22 05:32

射撃というのは、基本6:4〜7:3の「前荷重」と言われます。

でも、その「前」ってどっち?というのがなかなかにわかりづらいもの。

本来は「射線に対して」なのですが、なんせ体はおおよそ45度傾き、顔なんて射線と体正面の間ぐらいを向いていますから、実はこの「前」というのを感覚すること自体が難しいことだったりするんです。



これによって、「前」を意識するあまりに「左足」にばかり体重を乗せてしまう、なんて事になりがち。

横スイングも「左足軸」なんて言われますから余計にそうなる。


でもこれだと、横スイングの軸が傾いてしまうので、実は非常に「よろしくない」のですよ。



重心はスイングで変わる

そもそも、「理想的な」構え方をした時、スイングの方向によって重心が変わるのですよね。左にスイングすれば左に、右にスイングすれば右に。そして、上にスイングすると後ろに、下にスイングすると前に、必ず重心が「移動」します。

ちょうど重心が「6:4」になるのは、「正面」で「水平」に構えた時だけ。実際の射撃では、こうなることの方が稀なんです。


だから「6:4」とか「前重心」を意識していると、「正面」の「水平」だけなら良いけれど、スイングは理論上絶対に理想的な形にはならないわけです。



効果的な練習法3つ

これを解消するのに簡単なのは、

・「銃を持たない」状態で、「気をつけ」の状態から姿勢を作ること。

・基本は「少し上」を向く様に練習すること。

・「重心」ではなく、「右足」に意識を向けること。


この3つがとても効果的。


「銃を持たない」で姿勢を作ると簡単

重心が1割から2割「前」に傾くのは、「銃の重み」によるもの。つまり、銃を持っていない時には、ほとんど「5:5」になるわけです。

だから「前」がどちらになるかを悩んだりしなくていいわけです。

また、姿勢を作る前に必ず一旦「気をつけ」の姿勢、つまり全部を真っ直ぐに「伸ばし切って」から、曲げるところだけを曲げる、とすると、一旦「リセット」してゼロベースから姿勢を作る事が出来ます。

これは、大会前で緊張している時でも、寒くて身体が悴む様な時も、まず「気をつけ」の姿勢になれば、いつどんな時であっても自分のシューティングフォームを安定して作る事ができるようになります。


「少し上」を狙って姿勢を作る

また、「水平」に構える練習をする人は多いですが、スキートもトラップも鴨などの鳥撃ちも、殆どが目線より上に撃ちます。また、18度〜45度ぐらい上で構える時、上半身が「真っ直ぐ」になるので、こちらの方が「作りやすい」わけです。

なので、一旦「リセット」したら、一番「フラット」に近い姿勢、つまり「少し上」を狙う形で姿勢を作るようにすると、より姿勢作りが安定するわけです。


「右足」で「反動」をコントロールしている

右足というのは、実は「反動」を抑える上で最も重要な役割を果たします。

銃を発砲すると必ず「反動」がありますが、上手な人は反動があっても姿勢がほとんど変わりません。

これは、上半身の「逃げ角」をつかって、衝撃を「右足の裏」から「地面」に伝わるからなんです。


試しに、1発でいいので、右足の「踵」を「完全に浮かせて」いる状態で発砲してみてください。必ず「後ろ側」に姿勢がズレます。

これをやると、右足にどれくらいのチカラで反動が伝わるかがわかるはずです。

ちょうど、道で大きな男性とぶつかったぐらいの感じになると思います。


これを右足を軽く「踏ん張る」ようにしてから発砲すると、驚くほど反動による姿勢が変わらない事がわかると思います。


この時大事なのは、射線を上から見た時に、必ず射線上に右足がある様にする事。詳しくいうと踵と土踏まずの間の「ツボ」の部分が、どの射台でどの角度に対しても射線上にあるようにすることが大事になります。



「重心」「軸」よりも右足の「ツボ」


構えた時の「重心」やスイングの時の「軸」より「右足のツボ」が射線上にあることをしっかり意識している方が、実はスムーズに理想的な構え、スイングになります。


実際にこれを銃を持って鏡の前でやってみると、構えを作った時点で6:4で「射線に対して前」に重心があり、「右足」を意識していてもちゃんと左足軸でスイングしています。


また「射線」を意識する事によって、より「前」がどちらかわかりやすくなり、ストレートがよくあたるようになります。