にほんで - 東北空手道場
「両足の裏を地面から離さないで、上段を蹴ってみましょう!」当然、できません。蹴りを行う際には、必ず片足になります。蹴ったら素早く足を戻して、二本足で立ちます。そうしないと、不安定で転んでしまいます。人が立つには一本足では不安定で、二本足で安定します。それは体の構造だけでは有りません。人が生きていく上での二本の足。一本が自分で頑張ろう、という力。もう一本が周囲からの応援や助け。あえて名付けるなら、前者が「自力」、後者が「他力」。この二本の足で立っています。「自力」の一本足だけでも、短い時間は立ってられますが、次第にふらつき、下手したら転んでしまいます。なので、支えとなる「他力」のもう一本の足が必要です。逆も言えます。「他力」の一本足だけでも立てません。そこに「自力」の一本足がないと。「人」という象形文字は「二本足で立っている(歩いている)形」と言われています。そして「人と人とが支え合っている形」とも。自分はしっかり立っている、と自信がある方も誰かに必ず支えられてますよ。また、もし今、一本足で立っていると思う方。その場に立ち続けるより、ケンケンして跳んでみましょう。その方が疲れますが、しばらくたえられます。そしてどうせ跳ぶなら、その場ではなくいろいろ回ってみましょう。そのうち、どこかで一本足で立っている人に会えると思います。一本足 + 一本足 = 二本足で安定するかと。そんな単純では無いというかもしれませんが、「人」って結構単純ですよ。小学一年生でも書けますから。
コラム筆者・東北空手道場 松本隼也
「勇は優から」「自分を信じる」「やりきる」。この3つの道場訓にしています。なにもないひとりの「人間」として稽古する。シンプルですが、究極のセルフケアを実践する場になれるよう心がけた指導を目指しています。
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