峯尾節堂師 毎歳忌
2021.01.24 07:03
峯尾節堂師の毎歳忌を1月24日 熊野川町相須の真如寺、
1月25日に新宮市内の南谷墓地にて読経供養してまいりました。
今年で103回忌になります。
峯尾節堂師は、明治42年1月に大石誠之助氏宅で幸徳秋水氏が語ったとされる話を
聞いたという理由だけで「大逆事件」に連座させられ明治44年1月18日に死刑判決
翌1月19日に恩赦により無期懲役に減刑され8年の服役後大正8年3月6日千葉刑務所で
35歳の若さで病死いたしました。当時流行していたスペイン風邪であったとされています。
彼は決してすばらしい境涯を得た禅僧、人を魅了する宗教家ではありません。
また、卓越した社会運動家でも、また人を感化できる猛烈な社会主義者でもありません。
ただ、文学好きで、向学心はあるが、繊細で悩み多い一人の青年僧でありました。
修行道場を病気のため挫折し、21歳の若さで熊野川沿いの檀家数の少ない小寺院
真如寺の住職になります。
しかし檀家さんとの折り合いが悪かったのか、23歳で退職し、留守居僧として
南紀の小寺院を転々としているときに大逆事件に巻き込まれたのです。
熊野の自然は雄大で美しいですが、人の心を圧倒する力があります。
そこには、人の孤独と焦燥感、寂寥感を生み出すことがあります。
そういった環境が、一僧侶として生涯を貫き通すことができず、
社会情勢に飲み込まれていってしまったのかもしれません。
その節堂師の思いに心をよせると、私もどこかひとごとではすまされず
供養へと真如寺と足をむかわせます。
今年も無事、真如寺にて供養させていただきました。
年一度のことではありますが今後も、続けていこうと思っています。