中国に関する質問回答(十二)
★【質問】
前号では、恋愛できない学生たちが大学に「恋愛心理学」講座を希望する記事や、また、カリスマ女子アナの董卿さんが三つの大学を卒業したエピソードを面白く読みました。中国の人々にとって、大学とはどんな存在なのでしょう?国家の共産主義のイデオロギーから独立した学問の自由があるのでしょうか?
【回答】
中国の人口は世界一ですが、中国の大学の数は、世界で3位にランク付けされています。一位と二位はアメリカとインドらしいです。 中国は3000校近く大学があります。清華大学、北京大学、ハルビン工科大学、浙江大学、上海交通大学、復旦大学、南開大学、武漢大学など、世界の上位にランクインしています。 公立の大学以外に、民間の大学、独立学院(各重点大学と民間組織が共同で設立した大学)の数は近年も増えてきました。
2020年、世界の大学の最新のランキングをイギリスの教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が発表し、アジアの大学の中で20位に中国の清華大学が入るなど、中国からは去年と同じ7校が上位200校に入り、ほとんどが順位を上げています。 普通の中国人にとっては、大学は人生に必要なステージであり、80年代の大学進学率は一桁程度で、今はほぼ全員が大学に行ける時代になっています。
名門大学への進学はまだまだ難しいとはいえ、多くの選択肢があります。 ほとんどの親にとって、子供を大学に行かせて、学歴を獲得して、良い仕事に就くことは一番大事です。学問の自由は二の次です。大学に入学して、直ちに就職のことを準備しなくてはならないです。
因みに、最近仕事の関係で、中国の大学生の成績表を見る機会が得た。ほとんどの大学では、専門知識の以外に、コミュニケーション能力と思想道徳修養と法律基礎の科目が設置しているようです。 上海の名門大学で教授を勤めている朱さんは日本文化を含む人文社会科学を研究しています。「自分の好きなテーマを研究してもいいですが、超えられない赤いラインがあります。『敏感詞』に触れてはいけないのです。政府批判をできません」。
かつて中国の芸術系大学で教鞭をとった在日中国人デザイナー孫さんの見解は、「大学は確かに人材の宝庫だと言えます。学問の自由を大体保っています。ただし、意外にも大学は対人関係が複雑なところです。大学教員の間では競争が激しくて、大学は社会のサムネイルです」。
中国の大学では、理系、芸術系の学問には自由度が高いと思いますが、人文社会科学のほうには制限がありそうです。中国の大学講師の中には、「言論自由」などを主張したため弾圧を受けた人もいます。