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酒場BETTAKO

BETTAKO -其の190-

2021.01.25 22:26

おはようございます。1月も終盤ですね。

そんな火曜の朝。体内リズムなのでしょう。

いつものように、仕入れの時間に合わせて、

目が覚めた朝です。


とはいえ、月曜日〜水曜日まで休みを

頂いておりますが、ご不憫おかけ致します。


先週…。

酒業界に精通している客人が視界を跨いだ。

献立板から二品と、本格焼酎をお好みで…。

という注文の入る。


店主▶︎ウチは小洒落た銘柄は御座んせんが、

お好みでとなると…。飲み方はどのように?


客人▶︎今日は冷えますからね。

温かくして飲みたいところです。


店主▶︎では、燗でどうでしょうかね。

辛め?甘め?どっちにします?

客人▶︎あー。じゃ甘めでお願いします。

店主▶︎香ばしさは要ります?

客人▶︎香ばしさはいいです。あっ!

後味スッキリな銘柄でお願いします。


店内と包丁と俎板が差し引く音が

カウンターの向こうには、どう伝わっているのか

それは、カウンターに腰を下ろした

人でなければわからないだろう。


なめろうを叩く音の合間に、客人から

お声をかけられた。


客人▶︎こちらは古くからですか?

店主▶︎来月で移り転んで4年目ですよ。


客人▶︎東京では珍しい銘柄が多いですね。

店主▶︎この酒達で29年。商いで20年、

持ちつ持たれつでやって来ましたからね。


匂いでわかるね。

酒の酒に詳しい人の匂いというものはね。

まぁ話を重ねる塩梅っちゃうものは、

その人とのその時折によって違う。


店主▶︎ハイよ。

そう一枚板檜のカウンターに置かれた、

下平猪口に技量を詰めた酒を注ぐ。


客人▶︎……………。


間隔を空けた席から。

池袋時代からの常連と地元の客人が

話を重ね声が聞こえる。

酒場はそれ相応の緊張感というものが、

初見にはある。誰もが入りやすい店よりも、

玄人好みの酒場が、この路地裏では丁度良い。

酒と肴を客が選んで、仕立てていく。


時の流れは、その客人の体内の時計でもある。


客人▶︎ごちそうさまでした。お会計で。

店主▶︎雨降る夕刻にありがとう御座いました。

客人▶︎いえいえ。堪能させてもらいました。

BETTAKOさんの噂は予々…お店も綺麗で…

また来ます。

店主▶︎いえいえ。夫婦で切り盛りするには

丁度良い広さの酒場ですから、また。


酒を好む、酒に属する、酒場を好む。

いろんな人達が、ウチの暖簾を潜り敷居を跨ぐ

時として、酒業界に精通する客人や、噂を

聞きウチを選んだ意味合いは、蔓延した

知識ではなく20年培った技量で、もてなすのが

BETTAKO流の客への礼儀でもある。