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SMART広報®『ThinkUp』(運営 株式会社シンクアップ)

私たちが起業した目的[新しい発想に基づく大学創設]に向けて

2021.01.26 02:50

近所のスーパー・山形屋ストアで子どもたちの絵にしばし釘つけになった話

『おばあちゃんのいえ』。

買ったものをマイバックに詰めようとして上を見上げたら一枚の絵に目がいった。

動物園のお猿さんの絵かなとタイトルを見たら驚いた!

『おばあちゃんのいえ』

檻(おり)と思ったものは家だった。

おさるさんと思ったものはおばあちゃんだった。

子どもの発想力というのは面白すぎる!

そこで他の絵もタイトルと一緒によく見てみたら、凄すぎてのけぞった。


『ママとやま』

お母さんが山と描かれている。この組み合わせが私には謎すぎる。

『だんごむし』『かぶとむし』

私には区別がつかない。

実は幼児が物事を認知していく過程に関心を持っている。最近親しい方々に「新しい発想に基づく大学作りにいよいよ動き出す」という謎のメッセージを送っているが、この謎を解くちょっとしたヒントが幼児の発達過程の研究にある。

シンクアップ起業以来、毎年、年頭所感のようなものを書いているが、今年は「当初から目標としてきた大学創設の動きをいよいよ起こす」という決意の文章に忍び込ませたのが「新しい発想に基づく大学」という謎のフレーズである。

私たちの中にはすでに構想はあるのだが、その文章にはあえて何が新しい発想なのかは書いていない。

AI特にディープラーニングの中核をなすニューラルネットワークは人間の脳の仕組みを模したものと言われる。確からしさに重みをかけてそれを確率(特徴量抽出)にして判定していくもので、初期のAIの仮想論理デバイスであるパーセプトロン(0か1の値を取る)がコンピュータチップの発展とともに処理速度も処理できる量も上がったので特徴量(0から1までの連続的な確率分布になる)の抽出を多段階にして出来上がっている。もう多段の部分(中間層)は人間にはわからないブラックボックスになっている。とにかく、何十万枚も何百万枚も犬と猫の絵を見て(たとえば耳の形、位置、ひげの形、位置、数などのいろいろな要素で分解して判定し、採点して間違いを修正して…)学習データを蓄積していく。私たちが判読の難しい崩し字を見たときにどのように「読み解こう」とするかに似ている。漠然と全体を見たり、細かく部分的に見たり、筆の運びを考えたりといろいろとやり、自分の頭の中の字形と照らし合わせて判読する。

※AIの例としてよくスパムメールの判定の例が上がるが、それもわかりやすい。例えばはじめにバイアグラという言葉が入っていればスパムメールと判定するとする、すると中には本当に医学的なことに関するメールでスパムでないものもスパムと判定されることがある。これをその中にでてくる他のキーワードとの関係(出現率)をデータとして蓄積しておいて、精度をあげていく(どんどん賢くなっていく)という方法。これにベイズ理論が使われたのでベイズ統計学がAIの分野で一躍有名になり、ずっと異端視されてきたベイズ統計学が陽の目をみるようになったのである。

今の第三次AIブームのけん引役はニューラルネットワーク(と誤りのデータを戻すバックプロパゲーション)が元になった機械学習とその中に含まれる深層学習(ディープラーニング)であるが、私たち(株式会社シンクアップ)は、そこに直感的な方法が入れられるのではないかと考えている。もともとベイズ統計学は主観確率論といわれて、そこがこれまで、全く理解されてこなかった原因でもあった。

簡単にいうと子どもが犬と猫を区別するのにAIのように何百万回の学習をしていないことに着目している。もっとはるかに少ない回数で区別できるようになっていく。特徴量の抽出といった分析的なアプローチではなく、もっと何か総合的(統合的)理解をしているはずである。抽出ということから知識を習得し、帰納的に結論を得るというのではなく、何か演繹的なアプローチをしているはず。ベイズ統計学の主観確率の考え方になにかヒントがあるのではないかと考えている。生まれながらにすでにインストールされたデータベースがあるのかもしれない。蛇を怖がるというような生得的な本能に似たもの?

このことが、私が見かけて衝撃を受けた幼稚園児(特に年少クラスくらいの)絵に秘密が隠されているように考えているわけである。かぶとむしとだんごむし。ママと山。

もちろんピアジェなどの心理学者がすで発達心理学の中で人間の認知へのアプローチは100年以上前にやっているし、シーモア・パパートはプログラミング言語LOGOの開発を通して子どもの発達心理学にアプローチしている。

それをなぜ日本で改めて研究が始められなければならないのか?

それが新しい発想の大学の肝だが、統合的なアプローチのメッカ(?)は日本だからである。一言で言えば「悟り」のようなメカニズムの解明ができるのは、西洋の分析的な学問アプローチではなく、曼荼羅世界のような、あるいは禅的、あるいは俳句的な右脳発想(「閑さや岩にしみ入る蝉の声」、西洋人にはなぜあのうるさい蝉の声が静かさと融合できるのかと理解できないという)の統合的な腑に落ちるように理解する(=分かる)ということの研究は日本でなされなければならないと考えてわけだ。

日本の風土に世界中から人材が集まって、統合的智慧によるブレークスルーがなされなければならないと考えている。そのことへの理解者を集めることを今年から始めるということが「新しい発想に基づく大学作り」という謎のフレーズの秘密の第一の鍵である。

<補足>スパムメール判定

(統計局:なるほど統計学園高等部より)

ベイズ理論(ベイズの定理)を応用したベイジアンフィルタは、まず、電子メールの特徴を抽出するため、過去の受信メールを通常のメールとスパムメールに分類して、データベースに格納しておきます。そして、新たに受信した電子メールについて、その内容(文章)を単語に分割(※2)し、データベースの情報(過去の受信メールの情報)を利用し、各単語について、 スパムメールと判明しているとき、このメールが該当単語を含む確率(条件付き確率) スパムメールでない(通常メール)と判明しているとき、このメールが該当単語を含む確率(条件付き確率) を計算します。そして、ベイズの定理を用いて、「該当単語を含むメールがスパムメールである確率」を求め、この確率が大きければ、受信メールはスパムメールに分類されます(※3)。さらに、分類された電子メールの情報は、新たに受信した電子メールをスパムメールかどうか判別する際に利用されます。  このように、ベイジアンフィルタは、あらかじめ蓄積された情報を用いて、新たな事象を判別しているため、判別を繰り返すことで、フィルタの精度の向上やユーザーの趣向に合った判別が望めることになります。 https://www.stat.go.jp/koukou/trivia/careers/career11.html