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これからの試験の捉え方

2021.01.26 06:25

 たとえば、 


 「犬が猫にかみつかれている光景を見て、彼は思わず吹き出してしまった」


 という一文があったとします。 


 そして、設問で


 「なぜ、彼は吹き出したのですか?」 


 と問われたとします。 



 あなたはどのように答えますか? 




 ほとんどの生徒たちが、 「犬が猫にかみつかれていたから」 と答えます。 


 これは正解か? 試験では、減点ですね。 


 では、 「犬が猫にかみつかれている光景を彼は見たから。」 


 これなら正解か? 残念ながらこれも、試験では、減点ですね。


 では、どのように解答すればいいのか。 

 私の生徒たちならわかるかしら? 



 これでは、「吹き出した」ことに対する根拠が曖昧です。 


 「彼が吹き出す」という行動に至るに 充分な「理由」が欲しい訳です。 


 文章には前後があり、流れがあるため、 本文すべてを読んだ人ならば、わかるかもしれませんね。


 でも、設問に対する答えは、常に本文を読んでいない人にも 伝わる解答でなければならない。


 伝わる解答でなければならない。 


 その意味で、上記の二つは、「伝わりにくい」解答です。 


 なぜ?犬か猫にかみつかれていることが、吹き出すにつながるの? 

 むしろ、犬が猫にかみつかれていたら、かわいそうだと 眉をひそめる人もいるかもしれない。


 だから、「犬が猫にかみつかれている」→「吹き出す」 は、説得力に欠けます。


 まず、吹き出すのは、「面白いとき」「笑いがおさえきれないとき」


 つまり、吹き出すは、人の感情を表す言葉です。 



 そう、彼は犬が猫にかみつかれている光景に「面白さ」を感じたから、 吹き出したわけですね。


 そこまで言ってはじめて、「きちんと伝わる」解答になります。


 つまり、この解答は 犬が猫にかみつかれている光景を彼は面白いと感じたから。

 が答え。


 試験を、知識のお披露目会と捉えていたら痛い目をみます。


 試験は、テスト作成者との「対話」です。 設問者との「対話」です。


 常に柔軟に、汎用的に、「相手に伝える」ことを意識しなければ、 
 これからの試験は乗り越えられません。