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自己評価と他己評価の逆転

2021.01.27 01:30

 自己評価(自分の自分への評価)と他己評価(他人の自分への評価)は逆転しやすいと個人的に思うので、今回はそのことについて話そうと思います。


 ここでは評価に関して、現実が理想以上であれば評価は高くなり、理想を下回れば評価は低くなるものとします。簡単のため、他人の理想を普通とし、それより上の場合を理想が高い、それより下の場合を理想が低いとします。ここで言う他人は一人ではなく、大勢からの評価を総合したものを想定しています。また、生まれつきの能力は低いものとし、理想が現実よりも高い場合は理想に向かって努力して成長するものとします。自分の理想が高い場合と低い場合を考えます。


(1)自分の理想が高い場合

 自分の理想が高いため、理想に向かって努力して能力が上がり、充分な努力をすれば普通以上に能力が上がるので他己評価は高くなります。ただし、自分の理想に比べると現実の能力は低いため、自己評価は低くなります。


(2)自分の理想が低い場合

 自分の理想が低いため、現状に満足して能力はほとんど変わらず、元々の能力が低いため他己評価は低くなります。ただし自分の能力は、仮に理想より低くても少しの努力ですぐに理想以上になるため、自己評価は高くなります。


 このように、少なくとも単純化した状況では自己評価と他己評価が逆転します。という訳で、基本的には張り切ってる人ほど信用できないし、控えめな人ほど信用できるということになります。ただ、実際には他人によって評価にバラつきがありますし、努力が間違った方向に空回りしたり、理想が高すぎて挫折するような場合もありますし、生まれつきの能力にも差があります。評価のバラつきは聞く相手を上手に選ぶことで抑えられますし、そもそも自分を評価してくれる人だけを相手にすればいいという考え方もあると思います。また、努力が空回りする場合はすぐに切り換えて別の方法を試せばいいですし、理想が高すぎて挫折しそうな場合には周りから励ましてもらったり支えてもらったりすることで何とかなりそうなものです。これらは人間関係に恵まれれば割と大丈夫そうではありますが、生まれつきの能力に関してはそうはいきません。生まれつき能力が高ければ、さほど努力することなく周囲からの高い評価が得られます。最後に、生まれつき能力がある天才と、生まれつきの能力は低いが高い理想に向かって努力する秀才を比較します。


 次は、才能についての単純なモデルを考えて、0点から100点までの点数がついた101個の方法があるとし、天才は最初から勘を使うことで90点程度の方法を見つけられるものとし、秀才は勘を使えないので完全にランダムな点数の方法が見つかるが、100点の方法が見つかるまで努力するものとします。天才は最初から90点程度の方法が見つけられるため、よほど理想が高くないとそれ以上努力しないし、成長もしません。一方、秀才は勘が働かないため、かなりの確率で90点より低い点数をとることになりますが、試行回数を増やすことでいつかは100点に近い方法を見つけることができるかもしれません。極端なことを言えば、多くても101回試せばいつか必ず100点の方法を見つけることができるのです。天才は速度的に有利で、秀才は(時間さえかければ)結果的に有利と言えます。ただし、天才が秀才と同等の努力をすれば、結果的に秀才が有利とは言えなくなります。また、秀才は点数がわかることを前提にしましたが、センスが無くて点数がわからない、つまり細かい違いがわからない人もいるでしょう。(例えば何を食べても美味しいと思う人など。)このような細かい違いがわからない人は、そもそも何がいいかあまり分かっていないため高い理想を掲げること自体が難しく、正当な努力をする自体が難しいでしょう。そのような人はそもそも努力を諦めるか、努力の前に細かい違いを他の人から学ぶ必要があります。そして現実的な話をすると、現実に与えられる選択肢は普通は膨大なので、しらみつぶしに全ての可能性を試すのは不可能に近い場合が多いです。これを加味すると、天才は特定のことが生まれつきできるけど、秀才は何でも努力すればそこそこできる、みたいなことが現実には起こりやすいと思います。


 今回は自己評価と他己評価の逆転、おまけで天才と秀才について話しました。自信満々な人ほど怪しいと思ったり、控えめな人ほど能力がありそうだと考えると割と当たることが多いと思います。ただし、自分の能力に限りませんが、何でも適正に評価するのが一番合理的だと思いますし、自分に能力がある場合は適切に表現した方が色々と円滑に進みやすいと思うので、卑屈になりすぎないように頑張ってください。まあでも、自己申告はあまり当てにしない方がいいかもしれませんね。