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中島らもと、どっぷり感覚に沈み込むことへの憧れ

2016.09.26 17:06

ライブで音の渦に飲み込まれて、前も後ろも上も下もなくなる感覚が好きです。

疲れるので最近は行かないけれど、クラブもそんな気持ちになるから、好きでした。


具合が悪くなるから、お酒はそんなに飲まないけれど、中島らもの『今夜すべてバーで』の主人公がアルコール中毒になる気持ちは、わかるなぁと思います。

この小説、中島らも自身のアルコール中毒の経験がもとになっていることもあって、アルコールを飲む理由とか、飲んだときの感覚の描写がとてもリアルなのです。


アルコールは、「この世からどこか別の所へ運ばれていくためのツール」とか。


本質的ではないとわかっていても、馬鹿になれる恋愛は盛り上がります。

私はフェアじゃないかんじがいやで不倫はしないけれど、不倫ばかりしている友人がそのサイクルから抜け出せないのは、なんとなくわかります。



ライブもアル中も馬鹿になれる恋愛も、どれも頭で考えることから逃避して(というかトリップして)、どっぷり感覚だけに沈み込みたい衝動なのだと思います。


一時的にすべてを忘れて、癒されるために。聞く、飲む、キスするという特効薬を使って、中毒になっていくこと。

不毛で、不健康なかんじがする一方で、多くの人間が共感するドラマやアートの原動力のような気もします。


中島らもは、小説『ガダラの豚』で、アフリカの呪術をテーマにしています。

『今夜すべてバーで』とはまったく毛色がちがうテーマですが、根底に流れる「すべてを忘れて感覚に沈み込みたい」という願望は同じで、呪術という形で文化のなかにトリップすることが組み込まれていることへ憧れのようなものがあるのではないかなぁと個人的に思っています。

少なくとも、私はそういう意味で、アフリカの呪術に興味があります。

けっこうなにそれと言われますが、大学の卒論のテーマだったのです。笑

もっと深めて、うまく説明できるようになりたいなぁ。