TR
TRの三尖弁形成術が行われるときは、以下のことをチェックする。
□ TRの重症度と病態(一次性?二次性?)
□ 右心不全症状の有無
□ 右心拡大の有無
□ 右心機能
□ 二次性の場合は弁輪拡大があるか?テザリングがあるか?
TRの重症度
右心不全症状ってどんな症状?
1. 右室前方への心拍出量減少による症状:息切れ、易疲労感、倦怠感
2. 右室後方の静脈うっ血による症状:全身の浮腫、臓器うっ血による随伴症状、腹水
臓器うっ血による随伴症状
肝うっ血では、肝腫大、肝機能低下
腎うっ血では、心腎症候群
消化管うっ血では、消化不良、食思不振、腹部膨満感
脾臓では、脾機能亢進による汎血球減少
右心拡大の有無
右室容積は心臓MRIが正確。3Dエコーでも可。
2Dで行う計測は以下。
短軸像で左室の圧排所見はないか?
四腔像での異常値
右室拡張末期径 男性≧41mm, 女性≧38mm
右室拡張末期面積 男性≧24cm2, 女性≧19cm2
右室収縮末期面積 男性≧15cm2, 女性≧11cm2
右心機能(収縮能)の覚えるべき異常値
右室基部径 > 41mm
三尖弁輪収縮期移動距離 (TAPSE) ≦ 17mm
組織ドプラによる三尖弁輪収縮期速度 (TAM-s') ≦10cm/sec
右室面積変化率 (FAC) < 35%
ただし、有意なTRがあると三尖弁輪部が過剰運動をするためTAPSEとTAM-s'は過大評価となってしまう。FACを用いる。
三尖弁輪拡大の定義
TTEの心尖四腔像の拡張末期 >40mm または >21mm/m2
正常値は28±5 mm
ただし日本人の体格でこの値で良いかは分かっていない。
テザリングの評価
TTEの心尖四腔像の収縮中期(三尖弁が最も閉じた時相)で、三尖弁輪と弁尖部の高さを比較する。
5mm以上を有意とする。
TRの手術適応
重症TRは一次性、二次性共に、左心系弁手術をする際には、三尖弁形成術を行う。(ClassⅠ)
中等症TRも一次性、二次性共に、左心系弁手術をする際には、三尖弁形成術を行う。(ClassⅡa)
軽症TRでも、二次性で、三尖弁輪拡大があったり、Afがあれば、三尖弁形成術を行う。(ClassⅡb)
左心系弁手術を行わないのに、TRだけ単独手術をする場合は、
右心不全症状があったり、右心機能低下または拡大を生じているため、手術リスクが高い!!
症例1 : MICS-Maze + TVR (beating, re-ope)
症例2:TVP