複雑性悲嘆について
2016.09.29 01:44
大切な人をなくした後、様々な苦しい感情、思考や身体的不調を体験することは、人として自然な反応であり、この反応・プロセスは「グリーフ(悲嘆)」と呼ばれています。
グリーフの反応や過程は人それぞれに、とても苦しいものだと思いますが、時間をかけながら、少しずつ変化していきます。ただ、死別の状況やその後のサポートの有無によっては、長期にわたって苦痛が強度で、日常生活が大きく支障されてしまう場合があり、そんな時には、心理療法の専門家(グリーフについて詳しい)に相談する方法も1つの選択肢になります。
このような、グリーフの中でも専門的な対応が必要と考えられる状態は、専門用語で「複雑性悲嘆(最近のアメリカの診断基準では持続性複雑死別障害)」と呼ばれ、うつ病やPTSDなどの精神疾患の併発も少なくないと考えられています。
*詳しくは下記サイト参照ください。
日本における複雑性悲嘆の現状分析に関する研究
平成28年度【短期研究22】
研究体制:田中英三郎、亀岡智美、加藤寛
実際に「専門家に相談してみたい」と思っても、どこに相談すれば良いのか、相談窓口や医療機関の情報を探すのは大変かもしれません。
ウェブ上で見つけた、相談窓口や医療機関の情報を下記にまとめておきます。
■公的機関での相談窓口
武蔵野大学心理臨床センター
兵庫県こころのケアセンター
■遺族外来・グリーフケア外来のある病院
旭川医科大学病院 緩和ケア診療部 グリーフケア外来
埼玉医科大学国際医療センター 精神腫瘍科(がん患者遺族が対象)
淀川キリスト教病院精神神経科 グリーフケア外来
■赤ちゃん・子どもとの死別後のグリーフケアに取り組んでいる病院
東北大学病院 総合周産期母子医療センター