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傷彦薔薇園

竈門炭治郎くんへ

2021.01.29 01:26

「鬼滅の刃」について少し書かせていただきます。


超絶人気だし、語り尽くされている作品だろうから、今さら僕が語るほどのことは無いのだけれど、その素晴らしさに一筆寄せたくなったのです。愛ゆえに。

そう、これはほとんど炭治郎くん宛のラブレター。


流行っているものは横目で見つつ、距離を取りたいタイプなので「鬼滅の刃」もスルーするつもりでした。

原作漫画を読んでもいまひとつピンと来なかったし。

ところが!

アニメを見始めたらもう第一話から引き込まれてしまって。

まず、カメラワークが素晴らしい。

焦点のぼやけたところから徐々に合わせていく感じ、またはその逆。その速度も絶妙だしぼやかす範囲も計算され尽くされている気がします。そして人物全体や表情や背景を捉えるレンズ。この巧みなカメラワークによって空気感や物語が伝わりやすくなっているのは間違いない。

そして、日本文化への愛が素晴らしい。

日本の古き良き田園風景、日本家屋や花鳥風月の描き込みは、テクニックだけではない真心、日本文化へのリスペクトを感じさせます。桜や藤や彼岸花など古くから日本人が大切にして来た花を素晴らしい表現で描出。

衣装も和風。派手な柄でファンタジックでありながら、かつて本当に存在したのかもしれない、とまで思わせるリアリティーを持たせる素晴らしい仕事ぶり。

そして、なんといっても主人公の炭治郎くんが魅力的!素敵過ぎて呼び捨てにしづらいもの!くん付けで!

とっても素直でポジティブ、というか褒め上手。その褒める対象が仲間、妹はもちろんのこと、敵にまで及ぶ素直さ!良いものは良い!強いものは強い!

そして、とっても良いなと思ったのは炭治郎は自分のことも褒めてあげるんですね、これ大事!「俺はとってもよく訓練したし、長男だから、我慢できる!」的なことを素で言えるんですよ。大した人物です。

鱗滝先生との特訓の際も、普通あの年頃の子どもだったら心の中で「チクショー、しごきやがって!」的なボヤキがあってしかるべきなのにそれが無い!これはやるべきこと!と悟ってるというか、会ったばかりの鱗滝先生を信じてる。こういう子は幸せですよ、強いですよ。のちにカナヲさんとの特訓でもグチも言わず没頭してましたよね。まあ、こういう子は現実にはほとんどいませんけどね、ある意味超人的です。

それから、家族も当然守るべきもの、という前提で動いてますよね炭治郎くんは。

日本のアニメの主人公は組織に反抗したり、家族に鬱屈とした想いを抱えてる者も少なくない中、ちょっと珍しいパターンかなと思います。

でも、そのあたりに応援してあげたい!と思わせる魅力があるんじゃないかな。

あ、それから凄いなと思った点を。

炭治郎くんには口癖が無い!

週間少年ジャンプの中でもアニメ化までされるような人気作品の主要キャラにはたいてい口癖というか名台詞があります。

オッス、オラ〇〇!

〇〇王に、オレはなる!

だってばよ!

んちゃ!

へのつっぱりはいらんですよ!

などなど枚挙にいとまがない。

それが、炭治郎くんには無いんです。

禰󠄀豆子に至ってはずっと竹くわえてるし鬼化してるからウーウーぐらいしか言えない。

なので物真似しづらいんですね。できても「全集中、水の呼吸!」くらいでしょ。

善逸くんの刀を構えるポーズの方が物真似されたでしょ。なんなら「よもや、よもや」でしょ。

ジャンプの編集の方も印象的な口癖やセリフを入れてくださいよ先生!なんて勧めたりする可能性も高い作品だと思うんですけどね、もしあえてそういうススメをしなかったり、先生側が断固として拒否したのだとしたら凄いなと思います。結果としてそれが正解だったのだから。

それから、

オープニング、エンディングともに曲が良いです。特にOP、Bメロ始まりであれだけ引き込むのは凄い。

それと、

こういう作品を読むと

難読漢字への免疫というか耐性が出来る。

それは良いこと。

難しい「竈」の字をスラスラと書けて、ひょっとしたら一生大事にする一字になるかもしれない。

漢字の読み書きが強くなるだけでなく

例えば不死川(しなずがわ)には

返り点のレ点が付いてたのね!と後日漢文を習う時にハッとするでしょう。

それもきっと良いこと。


物語の中盤で炭治郎くんには仲間が出来ます。

善逸くんと伊之助くん。

善逸くんは臆病で

伊之助は好戦的でやや自信過剰。

この仲間を得て物語もグルーヴを増していくのだが、それは何故か。

僕が思うに、三人そろってはじめて人間らしく感じられる。三人合わせてひとつの人格というか。

炭治郎くんも二人と一緒だと子どもらしくはしゃいでますね。

炭治郎くんに足りないもの(というか欠点というか)をもった二人が加わることで感情移入しやすくなったのでは、と思うのです。


花鳥風月、のくだりで言えばよかったかも、と思いつつ今思い付いたので書きとめておきます。

花鳥風月の中でも

「鬼滅の刃」は特に雪月花の物語、と感じます。

雪のシーンから始まる。その質感や木々に積もった雪の表現もうっとりするほど素晴らしい。

日の短い冬は鬼も活動的になるのでしょう。

花は先にも述べたように桜や藤の艶やかさ。

特に集合体としての花ですね。

そして、月。

炭治郎くんたちの戦いを、訓練を見守るように虚空に在ります。なぜか。鬼と戦うのはいつも夜だから。鬼殺隊は鬼の活動時間に合わせ正々堂々と戦う。その誇りへの尊敬とともに、炭治郎くんが朽ちてゆく鬼に向ける、慈悲の眼差しを思い出します。


さて、「鬼滅の刃」シーズン1 26話を一気見しました。

次は映画を観に行こう。

それから原作漫画を完読しよう。

心がまた動いたら一筆啓上いたしますね。

愛ゆえに!


追伸・と言いつつ今度は「呪術廻戦」を13話一気見しました。