【Interview】走るひと公開取材 vol.1(前編) —&MOSH プロデューサー 田原104洋—
9月4日(日)。今年6月、「スポーツ」+「ケア」+「食」+「ファッション」=「健康」をコンセプトに代々木八幡にオープンしたランニングベース「&MOSH」にて、『走るひと公開取材』と題したトークイベントが開催されました。第1回目のゲストは、「走るひと」でもおなじみ、「&MOSH」プロデューサーの田原104洋さん。オープンの経緯や、幡ヶ谷再生大学陸上部の活動など、語っていただきました。
本稿では、“田原104洋”さんと“走るひと編集長上田唯人”のトークイベントの様子を、前編・後編2回に分けて、ご紹介します。
まだ、“ランステ”がなかった時代の思いつきがかたちになった、「&MOSH」のオープン
──まず、「&MOSH」をオープンさせた経緯を教えていただけますか?
最初に、こういう場所が作りたいって考えたのは、7年くらい前かな。僕が走り始めたのは、もともとBRAHMANのボーカルTOSHI-LOWに誘われて、無理やりというきっかけで(笑)。最初は嫌々だったんだけど、そうこうして1年くらい代々木公園を走っているうちに、だんだん走るのが好きになっちゃって。
その時期が、ちょうど渋谷にあった“MOBSTYLES”(田原さんがプロデュースするブランド)を移転するタイミングと重なって。次の店を考えた時に、代々木公園の近くに“仲間内のランニングの基地”みたいな場所を作りたいと思ったのが、最初かな。その時は結局、いろんな事情で実現しなかったんだけど(笑)だから、それからしばらく“ランニング”と“自分の店”を重ねる発想からは離れてた。
──7年前ですか、早いですよね。きっとまだ「ランステ」という言葉もなかった時ですね。
そう。それが、去年mobstylesの15周年ツアーをやった時にふと思い出して。もともと関係があった ムーブアクショングループ(全国展開する鍼灸・整骨院グループ)のスタッフが、メンバーのケアをしながら一緒にツアーを回ってくれることになったんです。それで、“施術”と“ランニング”が組み合わされば、何か面白いことができるんじゃないか?ってアイデアを思いついたわけ。
そこからが本当に早くてね(笑)。まず「カフェ」をプラスして、「ランニングステーション」「鍼灸・整骨院」「カフェ」の3つを柱にした施設を作ろうっていうコンセプトが決まって。店長の松尾がキックボクシングのトレーナーだから、せっかくなら教室もやろうってことで、「トレーニングスタジオ」が加わった。オープンさせるまではとにかく、新しい場所だからこそ早くやらなければって気持ちが強かったな。
幡ヶ谷再生大学陸上部、メンバーをつなげる原動力
──なるほど。お話を聞いてからが、本当に早かったですね(笑)。では、田原さんも所属している「幡ヶ谷再生大学陸上部」についても教えてください。
もともと、BRAHMANが所属する「TACTICS RECORDS」っていう事務所が、仲間うちのサークルとして始まったのが幡ヶ谷再生大学。その幡再(ハタサイ)活動の一つとして、はじめは十数人で陸上部ができて。当初は個々の意地の張り合いみたいなことだったんだけれど、少しづつ部員が増えてきた頃かな、陸上部を2チームに分けて1ヶ月でどっちが多く走れるかっていう「対抗戦」をスタートしたんです。年に3回くらいのペースでやっていてるんだけど、最近は1ヶ月で500kmとか走る猛者が何人も出てきちゃって。だから200km以上走ったひとはカウントしないっていうルールができたほど(笑)。200kmカウントストップというより、むしろ「200km走らなければいけない!」ってルールに変わってきてる気がする(笑)
──皆さん、本当にストイックですよね(笑)。メンバーには、監督であるTOSHI-LOWさんの発信とかに共感して集まる方が多いんですか?
もともとは、TOSHI-LOWの周りのスタッフだったり、部員の口コミ中心に盛り上がっていたんだけど、それが東日本大震災があってから少しづつ変わってきて。震災後にできた、幡ヶ谷再生大学復興再生部の色々な支援活動に賛同して、入ってきてくる子たちが増えてきていると思う。だから、そういう部分に惹かれて入ってくる子たちって、もともと根性が座っているというか(笑)彼らが陸上部の意地の張り合いを、さらに盛り上がっているんじゃないかな。
──幡再(ハタサイ)陸上部を見ていると、意地の張り合いって言葉が本当にしっくりきます。
そうそう。そして、“走る”ってかなり手近に「達成感」を得られると思う。昨日より1km長く走っただけで「やったじゃん俺!」って感じられるから。あと個人的には、“走る”ことで一人になる時間が作れるのも、原動力のひとつかな。世の中すごく便利になったけど、いつどこでもスマートフォン触っちゃうから。そういう現代病から解放されるには、ランニングが1番じゃないかな(笑)
後編につづく...
田原104洋
「MOBSTYLES.」ディレクター。広島県出身。京都大作戦やAIR JAM、FUJI ROCK FESTIVALなどのロックフェスでMCもこなす。2015年はブランド15周年を記念し「MOBSTYLES 15th Anniversary TOUR "FIGHT & MOSH”」を開催。
幡ヶ谷再生大学
http://hatagaya-saisei-univ.jp/index.html#about
幡ヶ谷再生大学陸上部オフィシャルツイッター
https://twitter.com/rebirth_rikujyo
&MOSH
Text: Ryo Nishikawa