Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

Oimachi Act./おい街アクト

父から娘へのメッセージは? 味の違うボクシング映画で秀作

2021.02.02 03:00

父と娘。父と息子。


この映画は父と娘の"絆"をテーマにしている。

息子から見た父親と、娘から見た父親の違い

はありそうだ。


息子から見た父親は、父親を応援したい気持

ちで一杯になるのだろうか?

娘から見た父親は、あくまでも尊敬できると

か、頼りになる父親であって欲しいと思う気

持ちが強いのかもしれない。


こんな話は、実はもっと話す機会が人生ある

べきなのだろうが、どうも少ないようだ。

テレくさい、本音は言い辛い、今さら…、と。

ぜひ友達との会話でとりあげてみると、以外

に「ヘエ~」っというようなことを知ること

があると思う。


僕の父がガンのため永い間、病院に入院して

いた。

姉が大阪から里帰りを年に一、ニ度していた。


父が亡くなった年、姉と義理の兄にあたる姉

婿(あねむこ)が里帰りして、父に逢いに行った

そうだ。


その時、父は義理の兄に土下座して、「〇〇

さん、娘をよろしくお願いいたします」とお

願いしたと聞いた。


あの父が…。

娘と父の関係、息子と父の関係。

違うのだ‼と感じた。


この映画には、40代半ばを迎えた父親が娘の

ピアノに託した夢を叶えようと、"負け犬"呼

ばれしながら、ボクサーでなんとか稼いでい

る。


ピアノを習い、パリの学校に行きたいという

娘のために、たまに声のかかる試合に出たり、スパーリングの相手をして小銭を稼ぐ。

娘は父親のボクシングを見ていられない。

父親が負け犬呼ばれされるのが嫌だからだ。

負けっぱなしのボクサーの父が、最後の引退

リングでの引退試合―。


娘に言いたいことを老いた体で、ボクシングで、戦いで、一生懸命に伝えようとする。

この世の中の、すべての負け犬の父親に捧げたい珠玉の感動作だ。




映画「負け犬の美学」

(2017年フランス作品)

監督/サミュエル・ジュイ

出演/マチュー・カソヴィッツ、ビリー・ブレイン/他