about Herman Priyono (日本語)
about Herman Priyono (日本語)
名門Indonesia Institute of Arts Yogyakarta出身のアーティスト、ヘルマン。
私が2019年にartist in residenceでお世話になったsangkringに度々出入りしていた若手アーティストのユサが、studio見学ツアーを組んでくれた際にヘルマンと会いました。
その時に作品を見せてもらいながら、テーマやコンセプトを聞くと「コンセプチュアルなことは基本的に何もしていない」との答えが返ってきました。
謂わゆるコンセプチュアルアーティストでは無く、あくまで純粋絵画師であるとのことでした。(今回の展示に参加してくれた皆様がそうかもしれません)
なので、私がヘルマンの作品や人物像について抱く感想を文章にするよりも、彼の語りたいことを作品からダイレクトに感じてもらう方が良いのではないかと思います。
しかし、そもそも今回出品者の皆様に対しての評そのものが私の1ファンとして抱いた感想の意味合いが強いので、ヘルマンの作品についても臆さず書かせていただこうと思います。
ヘルマンの作品は、ダークな世界観で作り込まれています。
さらに作品内には角の生えたキャラクターが多々登場します。
そのキャラクターたちは作品内でデフォルメされたバイクのような乗り物に乗っていたり、ショッピングをしていたり、LOVEというネオン管の文字が入った中で心臓を捧げていたりと、ダークな世界観ながら生活感を感じます。
あと、インターネットの記号の中にlie(嘘)という文字が入っていたり…。
もしかしたら、jogjaで生活しているヘルマンから見た日常風景や世界観をそのまま絵に表しているのではないかと思います。
ここで少し私の話になるのですが、8年ほど前の学生時、版画のグループ展示に参加し、会場に在廊していました。
その時に、小林敬生さんという木口木版画家が来廊され、作品を見てもらえる機会がありました。
その時に「アーティストにはざっくり二種類いて、自身の作品について喋って見せた方がいいタイプと、喋れば喋るほど損するタイプ。君は後者だな。何も言わず作品だけ見せて後は察しろ!くらいの気持ちでいなさい」と言われました。
そのざっくり二種類に分類されるという理論を当てはめると、おそらくヘルマンは後者であり、しっかり自身の強みを理解しているのではないかと思います。
というより、絵を見たら伝えたい強固な世界観や内容が言葉を介す必要なく入ってきますね。
絵の中にネオン管を埋め込んだ「ネオン管シリーズ」も伝えたい文字等が直で入り込んでいますし、バイクのような乗り物も情景が浮かんできます(jogja在住の方は、バイク移動が多く、gojekという2019年には既に盛んになっていたサービスでは、デリバリーフードや家事等に加え、バイクタクシーがある程です。日本のウーバーイーツの先駆け的サービスです)
そういった情景プラス、ヘルマン自身が抱く強烈なダークの世界観が混ざった絵は、私にとって非常に中毒性があり、見ていて感銘を受けます。
terima kashi Herman!!
ダークな世界観痺れました!
今度こそビーチで浴びるほど色々飲みましょうね!!(プアサ後に)
安藤圭汰評