石スぺ炸裂で石井がトップを奪取!麻雀プロ団体日本一決定戦最終節1回戦A卓レポート
9/25(日)14:30よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、第1回麻雀プロ団体日本一決定戦最終節1回戦A卓の様子をお届けします!
対局者は、起家から順に
石井一馬(最高位戦日本プロ麻雀協会)
鍛冶田良一(日本プロ麻雀協会)
河野高志(RMU)
前田直哉(日本プロ麻雀連盟)
レポーターは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)です。
競技麻雀の選手には、それぞれ武器や持ち味がある。
その中でも特に目立つのが、石井一馬の武器だろう。
石井の武器は、何といっても「遠くて高い仕掛け」の精度。
一見バラバラな手牌から仕掛け始めたと思うと、相手をけん制しながら、あれよあれよという間にテンパイを果たし、アガリに結びつけてしまうのだ。
これを私は、石井スペシャルと呼んでいる。略して、石スぺだ。
東2局、前田がイーシャンテン時の2p5p、6p9p、7m8mのターツ選択を間違えずにテンパイを果たすと、テンパイしたオヤの鍛冶田から9pが出てウラ1の8000。
まずは前田が先制する。
その前田を追いかけたのが石井。
次局、石井は5巡目にチートイツテンパイにこぎつける。
どちらに受けるか。
4pが1枚切れ、3mが生牌である。
枚数なら3m単騎だが、石井は4p単騎に受けた。
石井「5巡目にしてすでに5pが3枚切れているなど、ピンズが絶好なので、4p単騎にするのは確実。リーチしてやろうかとも思ったが、ダマにしておけば河野以外の2人は切るからダマにした」
石井の読み通り4pは2枚ヤマに残っている。
しかし、無情にも河野がツモ切りリーチした宣言牌は3m。
1度アガリ逃しをした格好だが、それでもすぐに4pを引いて1600・3200を決めた。
すると、次局、ついに石井スペシャルが炸裂する。
まず、1巡目に鍛冶田が切った9pをポン。
続いて1pもポンしてこうなった。
あっという間に手牌が7枚である。
そして、12巡目に7p8pで6pをチーすると、なんとテンパイ1番乗りを果たしてしまったのである。
とはいえ、6pを鳴かせた前田にも当然手が入っている。
タンヤオチートイツドラ2のテンパイで追いついたが、すぐに白を掴んで待ち替えを余儀なくされる。
前田が石井に対応している。
あのバラバラな配牌から、石井が完全に主導権を取った瞬間だった。
直後、河野もこのテンパイで追いつくが、石井に対して回った結果、一手遅れた格好になっている。
すると、この2人を尻目に石井が白を引き、なんとも破天荒な1300・2600をアガり切ったのだった。
石井は対局から帰ってくるなり、満足げに「この世で一番汚いイチサンニーロクをアガってやった」と語った。
こうなると完全に石井のペース。
トップ目で迎えた南3局でも、オヤの第1打に切られたオタ風をポン。これにはなかなか声が出ないものだが、石井に迷いはなかった。
そして5巡目に南ポンでテンパイすると、河野から4pを打ち取って1000。
あっという間にオーラスに持ち込んでしまう。
オーラスでは、河野が1枚切れの東を前田から一発で打ち取って6400。河野が2着に滑り込んだ。
石井 +41.0
河野 +15.9
前田 ▲10.7
鍛冶田 ▲46.2
1回戦を終え、石井が意気揚々と満面の笑顔で控室に帰ってきた。
一度卓を離れれば、ただの人懐こい若者である。
その第一声は、無邪気に「また、聡一郎さんにいっぱい褒めてもらえるなあ」だ。
わかったわかった。いっぱい褒めておくから、次も一丁頼むよ、先生。
石井が勝負師の顔つきに戻り、2回戦に向かった。
1回戦終了時では最高位戦が首位を守り、いよいよ2回戦からは運命を決める大将戦が開幕する。
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)