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退屈と惰性と 改

SG ラチェット レビュー

2021.02.02 05:39

 今回のレビューは、トランスフォーマー シージ より、

“SG-EX ラチェット” です。


 “戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー” で活躍した

オートボットの “看護員 ラチェット” が、

タカラトミーモール限定のSG-EXシリーズとして日本国内発売となりました。


 2019年に展開したトランスフォーマー シージでは、一般販売分以外にも多数の限定版アイテムが発売されました。

 日本でも、海外で一般販売となった通常ラインナップはすべて同様に一般販売されたのですが、限定版については当時はほぼスルーされてしまいました。

 カラバリでマイナーキャラを再現した程度ならまぁいいか、とも思っていたのですが、まさか初代アニメでメインを張っていたような連中までもがちらほら限定扱いになってしまうとは・・

 オートボットではラチェット以外にもスモークスクリーンやブルーストリーク、ディセプティコンでもスカイワープが限定に。

 このうち、スモークスクリーンについては早々に日本でもモール限定で発売されたので、ほかの3人もそのうち、と思って待っていたのに一向に音沙汰なし。

 そうこうするうちに第2期シリーズのアースライズがスタートすると、今度は海外では一般販売されている通常ラインナップですら日本では大半がモール限定になってしまうという販売体系の大変革(?)が起こり、これは海外限定版の日本発売など絶望的か? とも思われたのですが・・

 アースライズの商品展開が折り返しを迎えたあたりでまさかの展開。

 ほぼなんの前触れもなく、今回紹介するラチェット、そしてスカイワープ(ファントム ストライク スコードロン)のモールでの発売が決定。

 以降、続々と海外限定版がモール限定とはいえ、日本でも発売が確定していきます。

 いったいなにがあったのか? 本当のところはわかりませんが、きっとモール限定販売に主軸を切ったことが功を奏したのだと思います。

 単純に間を挟まず定価販売できるというだけでも、メーカー側の利益は増えますしね。

 ただ一般販売のラインナップが少なくなると結果として実店舗での取り扱いが減って、売り場も縮小していくという問題も・・


 レビューしていきます。


ロボットモード

 オリジナルトイ、そしてこれまでのリメイクアイテム同様、アイアンハイドのリデコです。

 オリジナルトイはそもそもダイアクロン隊員用のパワードスーツのような扱いのものだったので、アニメにおけるロボットモードのデザインとはかけ離れたものだった点も、もちろんアイアンハイドと同じ。

 というか、どういう感覚でアレをメインキャラの1人に採用し、もともとのトイと全然違うロボットのデザインを起こしたのだろう? 本当、すごいセンスだ・・

 とまぁそれはともかく、

 今回のSG版ではアニメデザインをベースに、サイバトロンモードという態で各部の形状は角張った部分多め、ディティール密度も濃いめで立体化されています。

 アイアンハイドからの変更点は頭部、肩、腰部、脛前面外装、そして正面からは見えませんが、ビークルモードのバンパー部分とけっこう変わっています。

 黒いV字の額当て(?)に、青い瞳と細面が繊細そうな印象。ラチェットらしいと感じます。

 当然プロポーションはアイアンハイドのままなので、ラチェットとするとちょっとマッシブ過ぎるような気はしないでもないですが。

 メインカラーの白はほぼ成型色。外装部分と関節などでは素材の違いもあるのか、微妙に色味が違っています。

 各部の赤いラインは塗装で再現されています。

 脛前面・・足首に近い位置には今となっては懐かしいウェザリング塗装がうっすらと施されています。しかし、ただ黄ばんで汚れてるようにしか見えない。

 まぁ、そういうものを再現したものではありますけどね。

 背面。

 デラックスクラスとしては大柄な体格を再現するために、背中や前腕裏側などに肉抜きがありますが、もうこの程度なら見慣れた感じ。


付属武器

 名目上武器としていますが、ラチェットの付属品はその役割上、武器というより基本的に修理工具です。

RT-5 レーザー スカルペル

 スカルペルというのはメスのことですね。つまりはレーザーメス。

 でも小型のレーザーガンっぽい見ためです。

 先端部は3㎜軸になっており、シリーズの他アイテムに付属のエフェクトパーツ等の取り付けが可能。

 後端には5㎜軸があります。

 なお、ラチェットの付属品はグリップや軸部分を除き、ほぼシルバーで全塗装されています。


RT-5 マグノ レンチ

 見たまんま、レンチですね。

 さすがに開閉はしませんが、けっこう細かくリアルに造形されています。

 やはりシルバーの塗装が生えます。

 しかし、頭の記号と数字がさっきのレーザー スカルペルと同じですね。

 今さらですが、これらの記号と数字ってどういう意味があるんだろう?


RT-15 プロトラクション レーザー ランチャー

 ジョイントアーム付きのランチャーにレーザー スカルペルを連結させた状態。

 オリジナルトイの移動砲台モードで使用できるミサイルランチャーを彷彿とさせるデザインになります。

 ランチャー単体にはとくに名称は設定されていないようです。


RT-15 プロトラクション マグノ ホイスト

 スカルペルに代わってレンチをランチャーに取り付けた状態。

 ホイストとは巻き上げる、とかいう意味なので、サブアーム的な扱いでよいのだと思います。

 デフォルトでは背面中央の5㎜穴にアーム末端の軸で取り付け、ランチャー部分を前に向けます。

 ランチャーは前後に5㎜穴があるので、スカルペルとレンチ両方を同時に取り付けることも可能です。


ビークルモード

 アースモードではアイアンハイドと同じ車種であるチェリーバネットベースの救急車に変形しますが、今回はサイバトロンモードということで救急車っぽいSFビークルにトランスフォーム。

 カラーリングはもちろん、ロボットモードの肩部分を変更してのライト再現。さらに各部の赤いラインで救急車っぽい雰囲気はばっちりです。

 意外とバンパーの変更もけっこう大きなポイントで、これによってビークルの顔がかなり変わっているので、あくまで戦闘車両というイメージのアイアンハイドのビークルモードとの差別化がきっちりできてるように思います。

 一方で変形パターンはアイアンハイドとまったく同じ。側面のパネルパーツが外れやすいのも相変わらずです。


 付属品を取り付けて。

 ランチャーはアームを折りたたんで2箇所の穴で固定。

 もちろん展開も可能で、そうなると特殊作業車のような雰囲気になります。


メディカルベイモード

 ラチェットで追加された新モード・・といっても、ほぼオレ変形のレベルで、これを公式の形態としていいのかどうか(笑)。

 ビークルモードをベースに腕部を開き、そこに付属品を取り付けて手術台に見立てた形態です。

 しかし、そこはラチェットもほかと較べて大型とはいえ所詮はデラックスクラス。まともに寝かせられるのはバトルマスターやマイクロマスターサイズに限られます。

 うん。いいサイズ感。


 一方で司令官(ボイジャークラス)を寝かせると、盛大に脚がはみ出します。

 司令官もけっこう手術台に寝かされてるイメージあるけど、これはさすがにキャパオーバーだなぁ。

 しかし看護員・・実質医師が手術台になって、肝心の治療は誰がするんだろう?

 まぁ、この状態でラチェット本人がやるんでしょうね。


比較画像

 同型のSG アイアンハイドと。まずロボットモードで。

 先にも言ったように、ロボットモードの正面に見える変更点は、頭部と肩、腰部、脛外装の形状、そしてカラーリング。

 付属品は大型ながら1つのみと少し寂しかったアイアンハイドに対し、ラチェットには単独でも組み換え可能な3種類が付属と充実しています。そこは後発の強みというところですかね。

 クロスヘアーズ? なんのことだろう?


 ビークルモードでも。

 8割方同じものながら、細部の変更でしっかり役割の違いを感じさせるアレンジだと思います。

 やはり並べてみると、思っていた以上にバンパーの変更が利いています。


 付属品を取り付けて。

 戦闘用の車輌と後方支援用特殊作業車輌という感じで、さらに差別化されました。

 ついでなので、SG オプティマスプライムと。ロボットモードで。

 サイズ感の確認だけ。


 ビークルモードでも。

 ネトフリのアニメの円盤は出ないのかな?

以下、画像

 可動性能もやはりアイアンハイドとまったく同じ。

 箱ロボ感強めですが、十分気持ちよく動いてくれます。

 足が大きく、接地面積が広いため、自立も非常に安定。

 アイアンハイドでは個体差もあったのか、全体的に関節が緩めでしたが、今回のラチェットはそんなことはなく、しっかりポーズを維持してくれます。

 肩は多少上に跳ね上げることもできます。

 また、拳も回転するので、若干窮屈ではありますが背中から取り外したランチャーの両手持ちも可能。

 立て膝も、まぁなんとか様にはなります。

 スタンド対応穴は腰裏にあります。

 例によって緩め。というか、今さらですがトランスフォーマーのこのスタンド用の穴は3㎜ではないのか・・?


 オリジナルトイの移動砲台モードをイメージしてオレ変形。

 今回新規付属のランチャーのおかげで再現度が増しました。

 惜しむらくは中心線に5㎜穴がないことと・・

 やはりデラックスサイズではほかのキャラを乗せるには小さい、ということですね。

 バトルマスターやマイクロマスターだとメディカルベイモード同様、ぴったりです。

 クリフやバンブルくらいでもいいかも。


 アイアンハイドとの共闘イメージで。

 同型の2人ですが、兄弟とか親戚とか、とくにそういった関係性はなかったんでしたかね?

 実写版では全然違う姿になりましたが。


 司令官も一緒に。

 さすがにレンチ1本で突撃は無謀だと思う(笑)。

 なんだかんだで武闘派が多かったようなオートボット(サイバトロン)のなかでも、ラチェットは立場的なこともあってか比較的穏やかな性格だった印象ですが。


 負傷した司令官をその場で治療(修理)するラチェット。

 解体してるようにも見えるな・・


 以上、“SG-EX ラチェット” でした。


 アイアンハイドのリデコながら、オリジナルトイを彷彿とさせる新規造形の付属品に、多少強引とはいえ劇中の役割を意識した第3のモードの追加など、ただの流用だけではない工夫が盛り込まれているのは、さすがメインキャラという感じ。

 だからこそ、一般で発売してほしかったアイテムですねぇ。

 いや本当、クロスヘアーズと逆やろ・・て。バリケードとスモークスクリーンもそうですが。

 なにかしらの圧力や忖度があったのか? とか思ってしまいます。

 しかし、もう日本では発売されないものと半ば諦めていたので、初日決定の報を聞いたときは嬉しかったですね。

 今さらシージ・・? なんてことは思いません。

 ただ、その後わりと早い段階でアースモードのラチェット(ギャラクティック オデッセイ)の日本発売も決まったので、それがわかっていればこっちはスルーしたのに・・という声もあったかもしれませんね。

 でも、やはり今回は付属品だけでも価値が高いと思いますし、むしろアースモードのそれは同じアースモードのアイアンハイドとまったく同じようですから、サイバトロンモードよりもアースモードだ! という人(まぁ、僕もどっちかというとそっち)もSG ラチェットは押さておくべきだったのではないか、と。

 もちろん僕はアースモードのほうもしっかり確保してますよ。


 さてSG-EX。

 ER-EXと違ってナンバーが打たれてないのは、当初はそれほど数を出す予定がなかったからかもしれません。

 しかし、1月にこのラチェットと同時発送のスカイワープ(ファントム ストライク スコードロン)、3月にはレインメーカーズとサウンドブラスターとすでに4アイテムがラインナップされています。

 僕は、レインメーカーズはスルーしました(さすがにほぼ色違いだけのボイジャークラスを6体はキツイ・・)が、サウンドブラスターは悩んだ末に結局予約してしまいました。

 しかしまだ海外限定版・・とくにジェネレーションセレクト関連はけっこう残ってますし、キングダムが始まって以降も、忘れた頃にまた不意にSG-EXとしてなにかしらの発売があるかもしれません。

 つまりはストリークにも、まだ希望はある・・かな?


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。