2021/1/25【絵本紹介①】かわ(加古里子氏)
大好きな絵本作家、加古里子(かこさとし)さんの”「かわ」(福音館書店)”。
1962年に「こどものとも」7月号として刊行。
その後単行本として、現在まで83刷重ねたという。
去年の英士のバースデーにプレゼントした、
「地球」や「宇宙」の科学絵本、また「万里の長城」もそうだが、加古さんの作品に通ずる普遍的なテーマとして、
“私達は時空を超えて、
全て繋がって生きている”
というものがあると思う。
個々に、目前の風景や暮らしがあるのだが、
それは非常に大きく繋がっているものの1つ。
その中で、私達は、今のパーツを生きている。
このコロナ禍で、また欧州から見ても、
今現在、”世の中全体の見方”だったり、
“大きく掴む視点の合わせ方、捉え方の根本の方針”みたいなものが、とても揺らいで来ている気がする。
細かい情報は、ネットに沢山転がっているが、
その前提のもっと大きな視点そのもの。
それが、欠如しているでは無いだろうか。
若い人は特に。
子どものうちから、自分で考え、
色んなものを統合して、自分なりの考え方で答えを出していくという事をやり続けてないと、
大人になってから、いきなり、
“大きく物事を掴みましょう! ”と言われても、
かなり、無理な話だと思う。
例え、ネットで調べた答えと同じものに辿り着いても、全然違う。
帰国してからテレビで、
社会や国際、時事問題のニュース解説番組
(子どもにも分かる!と謳っているもの)
を見かけた時、何て薄っぺらいのだろう!と
残念に思ってしまうことも。
英士には、何より、
“自分で見方をものを考えられる人”に、
なって欲しいと、心底思う。
そのために、母が出来ること。
あたたかい寝床と食事だけ用意して、
後は放っておく、自由にさせる、
ことだと、思っている。
帰国して、久しぶりに読んだ加古さんの絵本に、
そんな事を教えてもらった。
※因みに2016年の復刻版では、24頁の以下の2行が、カットされている。
「まちの ごみや きたない みずが ながれこんで、かわは すっかり よごれてしまいました」
当時汚染が深刻だった多摩川も浄化され、
鮎が登るようになったのだとか。
加古さんが、当時”公害会社”とまで言われた、
昭和電工(化学会社)で働きながら眺めた
「かわ」が、美しくなっていったのだ。
▼編集室より 2016/09/05
絵本”かわ”について -1- 加古里子
→それぞれの場面説明の詳細、復刻版に合わせてカットした
▼【日本経済新聞 電子版より】
帰ってきた清流 現実が絵本に追いつく
絵本作家・加古里子の戦後71年(下)
▼表紙。
→全場面が一連の地図に。(※第1-6場面:裏表紙、第7-13場面を表表紙)各場面の関連性やかわの曲折、地図記号、等高線など、絵さがしのように各場面と対峙して遊べる。