バロックの時代32-ジョージ王「水上の音楽」
2021.02.01 09:26
当時イギリスでジョージ1世を待っていた男が居る。バッハと並び称されるバロックの大作曲家ヘンデルその人である。彼は1685年北ドイツの生まれだが、1706年からイタリアへ行き、その影響を受けオペラ「アグリッピーナ」を書き成功している。
10年からハノーファー選帝侯の宮廷楽長になったが、そのままイギリスに渡りオペラ「リナルド」で成功。12年にも再訪した。そして14年にそのハノーファー選帝侯がイギリス王になるのだから、運がいいのか先見の明があったのか、ともかく新王と懇意となった。
16年には王のドイツ帰りにあわせてハノーファーに帰り、ロンドンに行った17年に作曲したのが有名な「水上の音楽」である。この管弦楽は、テムズ川での王の舟遊びの音楽だった。何と往復の間に3回も演奏させたという。
彼はロンドン貴族専属の音楽家となり、南海会社のバブルに便乗して一儲けし、その金で王立アカデミーの音楽部門をつくって自ら中心人物になったという。ヘンデルとバッハはおない年だが生涯一度も会えなかった。ドイツ一本のバッハに対してヘンデルは国際的に飛びまわり、事業も行った。バロック音楽ではあるがヘンデルのほうが華やかさがある。