【閉店】食堂 山昭亭(京成大久保)
京成大久保の商店街に今年1月オープンした新店にようやくの訪問。以前は焼鳥店か何かだったところを全面的に改装。洒脱な佇まいのファサードには「サンマーメン」「中華そば」「かつ丼」の文字が。店頭のメニューを眺めると酒の肴も多く、食堂と言えども夜は一見居酒屋的にも見える。
ラーメンだけの利用でも良いか、恐る恐る尋ねたところ「もちろん大歓迎です。食堂ですから。」とのこと。しかしメニューや店構えで少し損をしているのではないかな。実際学生の利用は少ないそうで「なんだか高い店に思われてしまうみたいで」と言う。店内もやはり小料理屋的で、正直食堂というイメージは感じられない。
ご主人は長年和食の世界にいた方だそうで、店内には調理師免許やふぐ調理の免許なども掲げられている。オープン当初は「スープ雑炊」を売りにしていたようだが、スープ雑炊という食べ物自体が良く分からないのだから、それを看板メニューにするのは厳しいだろう。スープ雑炊の文字はメニューから消えていたが、今の「麺類、丼物、定食」というラインナップの方が直感的に分かりやすい。
さて、和食の料理人が作る中華そばは如何に。スープは半濁気味の清湯で、見た目はそれほどでもないが醤油味。塩が少し尖っているのが気になった。油はほとんど浮かせておらず、豚と鶏、野菜、さらに節系などの乾物の旨味が感じられる。麺はやや柔らかめに茹でられていて、スープとの相性は悪くない麺だが、凡庸な印象は拭えない。具の調理や調味はお見事で、鶏チャーシューの火入れと味付けや、やや甘めのメンマの調味も良かった。
食べ物としての味は悪くなく、普通に美味しい。ただ、ご主人は作り手としても食べ手としてもラーメンをあまり知らないのか、ラーメンとしてのバランスを考えるとちょっとピントがズレてるかな。基本の出汁の引き方やカエシの味わい、具の調理調味などはしっかりしているので、最近のラーメン屋さんをいくつか食べ歩いてみて、油の使い方や味のバランス、盛り付けなどをもう少しお勉強されるとグッと商品力が上がると思うのだが、まぁそれは大きなお世話なのかな。かつ丼が気になるので、次回はかつ丼狙いで。ラーメンとセットでハーフかつ丼とかも出してくれたらいいのにな。
食堂 山昭亭
習志野市大久保1-18-9
11:30~14:00(LO),17:30~21:00(LO)
水曜・第3火曜定休
京成線「京成大久保」駅より徒歩3分