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増田勇一のmassive music life

運命の日に無料配信ライヴ実施、というlynch.のレジスタンス。

2021.02.01 22:20

本来ならば今頃は××しているはずだった、みたいなことを言うのにはもう飽きてしまいつつあるというか、何を言っても状況が変わるわけではないので極力そういうことを考えずにおくよう心掛けているつもりだ。が、たとえばスケジュール帳に書き込まれていた取材やライヴの予定が二本線で消されているのを目にしたりすると、やはりどうしても「ああ……」と溜息が漏れてしまうことがある。

2月3日は『lynch.15TH ANNIVERSARY "THE FATAL HOUR HAS COME" AT 日本武道館』を観るはずだった。lynch.が長きにわたり目標に掲げてきた武道館公演が初めて実現することになるその1日を、じっくりと見届け、たっぷりと記事を作るつもりでいた。が、結果的に今回の公演は中止となってしまった。新型コロナ禍云々ということを書くことにはもっと飽きているし、中止決断の理由については説明するまでもないので何も書かずにおくが、〈延期〉じゃなく〈中止〉なのは、ただでさえスケジュールを押さえるのが難しいこの会場での公演について、代替日程をすぐには決められないからでもあるのだろう。とはいえ、この〈中止〉には〈延期〉以上に価値があるようにも思う。

何故ならば……という話はこの場ではせずにおこう。

結果、2月3日には、メンバーたち自身の強い希望により、『THE RESISTANCE』と銘打ちながらの無料配信ライヴが実施されることになった。〈抵抗〉という意味のタイトルを掲げながら、彼らがどんなパフォーマンスとメッセージを届けてくれるのかを、僕はとても楽しみにしている。

年末から年始にかけ、lynch.の5人とはたくさん話をしてきた。まず昨年末には、彼らの地元・名古屋に赴き、彼らのオフィシャルYouTubeチャンネル用の個別インタビューを実施。もちろんこの時点においては、武道館公演は予定通り開催されるはずだったし、僕自身もその前提で質問し、彼らもそれに向けての気持ちを語っていた。その模様は、メンバー各自が選んだ過去のライヴ映像とともに、1月4日から5日連続で公開されているので、すでに視聴済みの方も多いはずだが、まだご覧になっていない方々にも是非チェックしてみて欲しい。彼らがこの念願の公演に向けてどんな気持ちを抱いていたかを改めて確認していただけたならば、取材担当者としても嬉しいところだ。


そして実は、年が明けてからふたたび彼らには個別取材をした。こちらのインタビューも実は活字にするためのものではなく、映像収録用のもの。WOWOWで今年から始まった『ヴィジュアル系主義』という新番組のためのインタビューで、番組自体はナビゲーターのDAIGOさんによる進行なのだが、おそらく僕が行なったインタビューはオンデマンド配信プログラムで使用されることになるものと思われる。YouTubeの際とは異なり、僕の姿も声も登場しないはず(なので自分としては安心して観られるの)だが、こちらは武道館公演中止が決まった直後の時点でのインタビューということになる。ほんのわずかな時間経過の中で彼ら自身にどんな変化があったのか、それとも何ひとつ変わっていないのか……そのあたりに着目しながらご覧いただければ幸いだ。もちろんインタビューでは武道館公演関連のことばかりではなく、過去、現在、未来、超シリアスなことからそうでもないことまで、メンバー全員がたっぷりと語ってくれているので、かなり見ごたえのある番組に仕上がっているはずだ。

というわけで、明日は予定通りlynch.を観ようと思う。自分の部屋を武道館だと思いながら。そして、この曲がどんなふうに聴こえることになるのかを、とても楽しみにしている。