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ベートーヴェン交響曲第5番「運命」

2016.01.04 09:35

 

明けましておめでとうございます。

随分久しぶりですが、名曲紹介シリーズ、今回は名曲中の名曲、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」です。

この曲は昨年、指揮者 大野和士氏が東京都交響楽団音楽監督就任披露演奏会で取り上げた一曲。またその一貫で、大野氏がNHKで対談していたのですが、その中でこの曲の重要なポイントとして、第3楽章から第4楽章への、暗闇から一転して眩いばかりの勝利のファンファーレに移り変わるところを挙げていました。岡本太郎以上にわかりやすい爆発のリアクションと対談相手である同じく指揮者の広上淳一氏の「まぁまぁ、お座りください」の言葉と共に。。。苦笑

ただ、私がクラシック音楽に初めて心を奪われたのはまさにこの部分で、思わず嬉しくも懐かしくなり、今回、取り上げる次第です。


さて、遡ること30数年前、LPレコードの全盛時代。この曲とシューベルトの「未完成」がカップリングされたクラシック入門用アルバム、なんていうものがよく売られていました。

このカップリング、CDにしてしまうと時間的にちょっと短くて損した気分になるのですが、LPだとちょうど片面ずつに収まる曲の長さで、また聴く側にとって緊張感の続く長さ。笑

ということで、今もってクラシック入門用のプレゼントとしては、これほどキレイな形はなかったのではないかと思います。。。


閑話休題。先に述べましたとおり、私がクラシック音楽にのめり込むキッカケを作ったのは、まさにこの入門用アルバム、中学2年生の音楽の授業で聴かされた「運命」のレコード。

何故か全曲を聴きたいと思い、担任が音楽の先生だったことを幸いにうまくお願いして、その日そのレコードを借りて自宅へ。。。

ドキドキしながら初めて聴く、交響曲、なるもの。勝手に持っていた堅苦しいイメージとは違い、そのサウンドが何とも重厚で心地好いし、何よりカッコいい。。。中でも、第3楽章から第4楽章へ移るところに見事ノックアウト!これまでに体験したことのないえも言われぬ気持ち良さ。。。完全にクラシック音楽の虜になってしまったのでした。

そして、山ほどあるこの曲の演奏ですが、今回ご紹介するのはフルトヴェングラー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏です。

LPレコードとは桁違いに音がいいCompact Discなるものが出る、その記念碑的な存在として、フルトヴェングラーのベートーヴェン全集が発売されるとの情報を得たのは、その当時の愛読誌「レコード芸術」。。。まだまだプレーヤーの値段が高く、値段が下がるまでの数年間、眺めているだけだったものの、買ってしまったこのCD。

初めて聴いたCDも当然この曲で、その時点で感動出来る要因しかなかったという私個人にとっては伝説的な名盤です。笑


もう今となっては古く、時代がかった重たいスタイルの演奏ですが、この曲の堂々とした立派さ、カッコ良さを知ることが出来る風格の一枚でもあります。

今回冒頭で「名曲」という言葉を使いましたが、名曲とは色んなどんな演奏スタイルにも鮮やかに表情を変えて応えられるいい素材のことでもあるのかなぁ等と改めて考えた次第です。

今年もよろしくお願いいたします。


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