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ogawa fumio HP

歌声にのった少年かThe Idolか

2016.10.06 01:00

ハニ・アブ・アサド監督の「歌声にのった少年」

ようやく観ることが出来ました

パレスチナ人のハニ・アブ・アサド監督がガザでロケをして撮った作品で

主人公はガザ出身のムハンマド・アッサーフ

話題の映画です

実在の人物が主人公

歌のコンテストで圧倒的な力量を示し

アラブのアイドルになったのがアッサーフです

(いまは国連パレスチナ難民救済事業機関青年大使も務めている)

映画は彼がガザを脱出してエジプトで自分の歌声を披露し

アラブ世界の人々から絶大なる応援を受けるまでの物語

エンターテイメントとして軽く観ることも出来るのが

この映画のよく出来たところです。

でも記憶に残るのは

イスラエル軍の爆撃の跡も生々しいガザ地区やバリケードの映像です

冒頭にサッカーをしている少年たちが登場しますが

来ている服の色は

2014年のガザ虐殺で実際にイスラエル軍に殺された

4人のサッカー少年が着ていたものと同じだとか。

隠喩が多いようです。

そういえば映画が始める前のトレーラーのひとつに

イスラエル人のナタリーポートマン主演の西部劇(!)がありました。

この組み合わせ

ちょっと無神経じゃないの?と思ったのは僕だけ?

そういえばタイトルも気になりました

英語題はシンプルにThe Idol

抽象的ですが

このほうが監督の主張をはっきり表しているのでは。

たんに歌をうたう子どもの物語ではないのです。

パレスチナの現状をソフトに訴えかけてくる力のある作品でした。