看板補修
久々にDIYのブログです。
看板補修の事を書こうと思います。
えんの家の看板はちょっと控えめな感じ。
渋い地味な板に白文字で「えんの家 en no ya」
と書いてあります。
えんの家を「えんのいえ」と読む方が多いので、一応アルファベットでルビを入れました。
平仮名じゃないのはなぜかって?カッコつけてるんじゃないかって?
「えんの家 えんのや」って、なんかくどいじゃないですか。
「えんの家や」
みたいなルビを振る手もありますが、「えんのやや」「えんのいえや」みたいな読まれ方をして、より煩わしいし、デザインも制限されそうだし。
ってことで、こういうデザインにしたのです。
それでも多くの人が「えんのいえ」と読みます。
ま、そんな屋号にした私が悪いですね。はい。
まあ、そんなことは置いておいて、もともとの看板の作り方を改めて書くと
板自体は元々押し入れの棚板だったものを、解体時に破壊せず電動丸鋸で丁寧に切り取ったものです。
2枚似たものが取れたので、背中合わせにして立て看板型につなぎました。
この板の色合いと風合いが非常に好みで、ぜひとも看板にしたかったんですよ。
で、この下地にどうやって文字を入れようかと考えた結果、
・PCでデザインして紙に印刷
・紙の文字部分を切り抜く
・下地の板に、文字を切り抜かれた枠側の紙を張り付ける
※後ではがれるように付箋紙のりのようなスプレーノリを使いました。
・紙の切り抜かれた部分にスプレー塗料を吹き付ける
という方法を取りました。出来上がった時点ではそれなりで満足をしていました。
開店から半年が過ぎ、
看板は日当たりの良い雨ざらしの場所にあるので日光に照らされ、雨に打たれ、この冬は雪に覆われて、大変過酷な環境で頑張ってくれましたが、遂に塗料が剥がれ落ちてきてしまいました。
これは酷い・・・
下の画像は作った直後の看板。
改めてみると、板自体の色あせも結構あるもんだなぁ。
毎日見ていると全然きづかないもんですね。
さて、ボロボロの文字の状態をよく観察して原因を推測します。
塗装が剥がれたら塗料の劣化と考えるのは浅はかですね。(想像上の誰かを上から目線で)
原因は看板の素材が防水などを施していない木材そのものであることだと考えます。
木材は水分が抜けると収縮しますし、濡れると膨張します。また温かさと寒さによっても膨張収縮が発生すると思われます。
塗料同士が結合している塗膜も当然収縮すると思いますが、木材の収縮具合とは別と考えられます。
木材と塗膜の結合も当然ありますが、この結合は塗料同士の結合より弱いのでしょう。
木材との結合のほうが耐え切れず浮いてきてしまっていました。
で、最終的に雪に覆われた際に、雪の重みにより浮いてパリパリ状態だった塗膜が剥がれ落ち、このような状態になったと。
半年程度でこんな状態になってしまう原因はわかりました。
じゃあ、どうすんの?って話です。
同じく塗料で補修してもすぐに同じ結果になるでしょう。
塗膜と下地の結合を強くするために、下地をあえて紙ヤスリなどでこすり、荒らして塗りなおす手は有効だと思います。でも看板の板を荒らすってのもなぁ・・・
そこからさらに傷みが酷くなると取り返しがつかないし。
ちょっと発想を変えてみます。
思いついたのは染料です。地を染めてしまえば間違いない。
でもこんな色の下地を白く染める染料なんて無いでしょうね。
黒い染料ならいけそうですけど、この下地に黒じゃ映えない。
漂白剤というのも考えたけど、輪郭がピシっと決まらずグダグダになりそうなので却下。
次に思いついたのは木材とかを文字型に切り抜いて張り付けるという方法。
ジグソーとかで頑張って切り抜いたら・・・
でも、デザイン的にあまりに細かすぎて、ジグソーとか抜くのは無理。
卓上糸鋸を使ったとしても・・・まあ、無理だよなぁ。
あと、苦労して出来上がったとしても、打ち付けるときに間違いなくバリバリに砕けるな。
ということで却下。
そして思いついたのは、プラ板です。
プラスチック素材を文字型に切り抜いて、細釘で打ち付ける方式です。
早速ホームセンターで素材を探しました。
プラ板には耐熱、耐寒の温度が書いてあって、選ぶときの参考になりました。
で、選んだのがこれ。
ポリプロピレンの板。
耐水はよいけど、紫外線にどれくらい耐えられるかはわからない。
耐寒性能がー5度というのも本当はNG。
長和町の冬は寒い。ー15度まで耐えてほしい。
しかし耐熱はまあ、溶けない温度ということで分かりますが、耐寒温度より低くなったらどうなるんだろう。素材の柔軟性が失われて割れてしまうということなのかな?
本当なら性能上間違いなさそうなのがこちら。用途もばっちり!
ただ、アクリルなので硬く加工が非常に面倒。ハサミやカッターでキレイに切り抜くのは至難の業でしょう。
ということで、妥協です。
ダメだったら次はアクリル樹脂に変えましょう。
切り抜きは思いのほか簡単。
切り抜き作業の写真はわすれましたが、ハサミでチョキチョキ抜いていけました。
素材は100均のプラスチックファイルを思い浮かべてもらえると良いかと。切れそうでしょ。
切り抜き終わったら板に釘で打ち付けます。
細いケーシングという釘です。
細ビスで止めようとも思いましたが、ビスだと頭が大きくて文字の視認性に影響が出そうですし、
ポリプロピレンの文字がダメになったあと付け直す想定をしておくべきで、ビス穴は下地を痛めると思い、ケーシングにしました。
で、作業中の様子。
完成はこんな感じ。
現時点ではまずまずの出来でしょう。
素材に柔軟性があるため打ち込みで割れたりすることはありませんでしたが、耐寒性能が足りていないのが気になるところ。
あとは釘が錆びてきてどうなるかです。錆が流れて文字が汚れるといやだから塗装しておいたほうが良いかもしれないな。
とりあえずこの状態で数か月か、数年か様子見ですね。
今回はここまで。