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卵子について、そして妊娠と年齢の関係について、知ること…①

2016.10.07 06:30


とくおかレディースクリニック 徳岡晋院長のお話
『i-wish ママになりたい 女性のカラダと卵子の話』より


年齢による卵子の質の低下を止めるのは難しい。
なかなか妊娠しないでいるのなら、少しでも早く治療を開始するのが妊娠への一番の近道です。

 質が低下してしまった卵子を良い状態に戻すことは難しいけれど、少しでも低下を遅らせるために食事や運動に目を向け、栄養バランスのよい食事をしたり、エクササイズやマッサージなどで血流、代謝を促進することで「健康なカラダ」を維持する。これこそが一番のアンチエイジングと言えるでしょう。そして最大のポイントは、早急に治療を始めること! と語るのは、徳岡医師。  子どもがほしいと努力しているのに、なかなか妊娠しないというのであれば、一歩を踏み出しましょう、と呼びかけます。 

とくおかレディースクリニック
徳岡晋院長


卵子について患者さんに伝えたいことは?

 年齢とともに妊娠率が下がるのは卵子が関係しているということですね。そのひとつとして卵の数の減少が挙げられます。卵の数は月に1千個、年間に1万から1万2千個も少なくなってしまう。最近よく言われるAMHの数値から推測されるように、その人の卵巣にどれくらいの卵が残っているのかという点がひとつのポイントですね。  もうひとつは卵の質の低下です。30代後半になると顕著に表れてきますが、ほとんどの方は年齢とともに卵の質が低下するなんて思ってもいません。ですが、どんな臓器でも老化するもので、その中でも他のもので代償できないのが卵ではないかと感じます。たとえば肝臓の細胞がひとつ具合悪くなっても他の数億もの細胞で代償される。ところが卵はひと月に1個しか排卵されないもので、その1個が排卵するために他の999個は無くなっていく。ですから、排卵する1個の質が良いか否かはとても重要になるわけです。ただし、35歳以降になると5割から7割ぐらいは染色体異常を持っているというデータもあります。仮に妊娠できたとしても妊娠が継続して出産にいたることは、かなり低くなります。


現在、体外受精では胚盤胞移植をすることが多いですが、胚盤胞まで分割した場合は染色体異常はないと考えて大丈夫でしょうか?

 いいえ、そうとは言い切れません。今は胚盤胞移植を希望される方が大半で、胚盤胞まで成長した卵なら染色体異常はないだろうと思われるかもしれませんが、年齢が高くなると正常なものは4個に1個程度です。4回移植して1回が妊娠に結びつくような状態です。  ですが、多くの方は排卵していれば妊娠できると思われていて、現実とのギャップが生まれています。  胚盤胞移植をして妊娠しないと、子宮内膜に問題があるのでは?と質問してくる方もいるのですが、現在の不妊治療ではホルモン補充をして内膜の状態をきちんと整えて移植するのが基本なので、内膜の問題ではなく胚の問題であることがほとんどです。  要は卵の質の低下が最も重要な原因と言えます。


卵子について、そして妊娠と年齢の関係について、知ること…②
卵子について、そして妊娠と年齢の関係について、知ること…③


とくおかレディースクリニック 徳岡晋院長のお話
(2015年3月5日発行 『i-wish ママになりたい 女性のカラダと卵子の話』の記事です )